内容説明
裏長屋に住む若侍・及川余一郎は、日々をのんべんだらりと過ごす生粋の遊び人。その男ぶりと剣の腕前から、仲間うちで『若さま』などと呼ばれてはいたが、その実態は、火消しの女頭領を母にもつ、ただのぐうたらな貧乏浪人である。だがそんな余一郎のことを、なにかと気にかける大物がいた。佐賀藩の名門の生まれ、北町奉行を務める、鍋島内匠頭である。それもそのはず、この余一郎こそが、若き日の内匠頭と火消しの巴が身分違いの恋の果てに成した、大身旗本家を継ぐべき本物の若さまだったのだ。おのれの出自を知った余一郎が、悩みながらも道を切り開いていく。まさに大団円の痛快活劇シリーズ、第三弾!
著者等紹介
藤村与一郎[フジムラヨイチロウ]
1957年、東京生まれ。ニューヨーク大学大学院卒業。菊池寛作家育成会での修行の後、2009年作家デビュー。2010年、『鮫巻き直四郎役人狩り』で第十六回歴史群像大賞「最優秀賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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