内容説明
ちなつと家族が、ハワイの風に包まれて、やわらかに変わってゆく…優しさに満ちた物語。
著者等紹介
大島真寿美[オオシママスミ]
1962年名古屋生まれ。1992年「春の手品師」で文学界新人賞。独特の感性により、やわらかく静かな物語を紡ぎあげる、いま注目の作家
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感想・レビュー
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おかだ
54
この浮かれたタイトル、ほのぼのとした装丁の児童書。さぞかしワックワクのハワイイ旅が待ってると思うやん。全然ちゃう…そんなハワイなら行くの辞めてまえ、ってくらいダルいハワイ旅行の始まり。お父さんとお母さんいつもケンカ、お兄ちゃん受験生でピリピリ、ちなつはうんざり…みたいなギクシャクした家族がハワイで夏を過ごす事に。その旅にふわっと現れたのは、菅沢で暮らすおばあちゃん。ハワイの海と星空とおばあちゃんが、壊れかけた家族を癒し導く、家族再生のお話。君ら全然ハワイ堪能してないから、もっかい仲良くハワイ行きなさい。2019/10/24
星落秋風五丈原
14
本作のヒロインちなつはまだ小学生で、一人で旅行はできない。家族と一緒だから、自分をじっくり見つめ直したりはしないが、代わりに家族を別の側面から見るようになる。手助けをするのは菅沢にいるはずのおばあちゃん。日本にいるはずの人が海外にいて、しかもそれがちなつにしか見えないとくれば、その正体は、皆さんご想像の通り。「海外でも仕事、仕事のお父さん」「家族の幸せにこだわるお母さん」という両親の年に近いため、自然と彼等の心情に寄り添えるからだろう。読み終わった後誰かに「マハロ(ありがとう)」と言いたくなるかもしれない2008/05/31
夏子
3
児童小説だけどしっかり大島さんらしい作品。挿絵と文章がとてもマッチしている。2014/12/14
遠い日
3
大島さんの夏休みの本、3冊目。ぎくしゃくした家族が、優しさを取り戻していく物語。魂になって飛んできたおばあちゃんとちなつの会話が、時に涙を誘い、時にこちらまで幸せな気分にさせてくれる物語だ。旅先のハワイに現れたのが、ちなつにしか見えない、おばあちゃんの魂。ちなつに大切なことを教え、家族が家族でいられるようにアドバイスをするおばあちゃん。 おばあちゃんが残して行った、「マハロ」の言葉に満たされながら、ちなつは、永遠の別れも感じなければならなかった。子供というものの力を改めて考えさせてくれた物語だった。2004/10/27
水色さくら
2
◎/よかった。絵もおおらかできれい。ハワイいいなー。2014/08/05