出版社内容情報
海岸に打ち寄せられた、ペットボトルや発泡スチロールなどのごみの山。
こうした映像をニュースなどで目にしたことはあるはずです。
プラスチックごみの摂取率は、ウミガメは52%、海鳥は90%と推定されます。
多くの海の生き物たちは、傷つけられたり死んだりしているのです。
また、10億本以上のストローを年間で使用している「スターバックス」は、
2020年までに約2万8000の全店舗で、
プラスチック製ストローの提供をやめると発表しています。
プラスチックごみの問題は、いまや世界中の関心事です。
さて、「脱プラスチック」の流れは、家づくりでも始まっています。
日本の住まいには、多くのプラスチック材と化学材が使われています。
家は、どんなに長持ちする家でも、いつか必ず解体されます。
そのとき産業廃棄物になるような化学材をたくさん使っていたら、
環境を汚染する原因となります。
著者は、環境先進国であるドイツの家づくりを研究し、ドイツの技術を学びました。
化学系の断熱材、アルミサッシ(窓)、窯業系サイディング(外壁)、ガルバリウム(屋根・外壁)、ビニールクロス(内装)、石油系塗料(内装)、PVC樹脂製品(雨樋・サッシ・水道管など)を使わない家づくりです。
家づくりには、「使うべきもの」と、「使ってはいけないもの」がある。
住んでいるときは住まい手の健康を損ない、
壊されてゴミになってからは地球を汚染する化学材の家。
私たちは「いま」だけでなく、
「未来」まで見据えた住まいづくりをしなければいけない――。
本書には、こうした想いが込められています。
家づくりを考えている人にはぜひ手に取っていただきたい一冊です。
目次
はじめに これまでは「化学の家」、これからは「木学の家」。木に学び、木の家と暮らす
第1章 私たちが提案する「木学の家」という新しい住まい
第2章 問題だらけの「化学の家」
第3章 私たちが行き着いたドイツの家づくり
第4章 「木学の家+ゼロ冷暖」で極上の快適空間―「木学の家」の遮熱・蓄熱力とゼロ冷暖
第5章 木の窓と透湿外皮がつくる安全な住まい―「木学の家」の防露・防犯・防火・遮音力
第6章 修復できるから長く住まえる―「木学の家」の修復力と経済性
第7章 未来の子どもたちに残したいもの、残してはいけないもの
著者等紹介
松岡浩正[マツオカヒロマサ]
環境建築人代表。1986年、ECOHOUSE株式会社を起業。1990年には、長命住宅を目指した高断熱高気密住宅に取り組む。長命住宅をつくるためにも、企業自体が長命である必要があるとの考えからISO9001を認証取得、これを機にISO認証のコンサルティングも行う。1986年より取り組んでいた建設業を管理運営するためのソフトウェアを完成。建設業経営管理システム、通称Nシステムの運用を開始。年間48棟の着工体制を築く。1999年、脱化学材に取り組んだ「ECOHOUSE住宅展示場」を完成。家づくりに使用しない化学材を明確に定め、大きな反響を呼ぶ。2004年、念願であった断熱材についても脱化学材を達成し、ECOHOUSEに磨きをかける。2014年ごろより、日本全国への環境断熱ECOボードの普及活動を開始、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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