出版社内容情報
はじめに
プロローグ 患者さんの「その人らしい生活と人生」を支えて
病院外来の限界と、かかりつけ医の役割……大場敏明
・初期認知症を見逃されて症状悪化、受診拒否
・当クリニックによる往診開始
・小規模多機能型の通所へ
その人らしい生き方を支援。
小規模多機能型居宅介護事業所の挑戦……高杉春代
第1章 「認知症急増時代」医療の主役は「かかりつけ医」に 大場敏明
急増する認知症、まもなく患者数500万人に
・高齢化と生活習慣病により急増
・認知症医療のこれからは「ともに歩む時代」
あきらめず、患者さんの生活と人生を支える医療と介護へ
・「痴呆症」は人生をあきらめるしかなかった20世紀
・初の治療薬と新しい介護保険制度
20世紀末の「痴呆症問題」は、いまも再生産されている
・問題が多かった「痴呆症入院医療」
・
20世紀末の認知症医療
・横行していた、患者さんに対する「三つの拘束」
・患者さんの生活と人生を見ない治療・介護
・いまこそ、かかりつけ医(町医者)の出番
・認知症医療と介護の「新時代」を浸透させよう
【証言】――― 認知症の方に寄り添って……
かかりつけ医でも可能になってきた認知症医療
・「ともに歩む」認知症新時代
・期待される、かかりつけ医の活躍
・早期発見・早期対応を地域のかかりつけ医の手で
・生活習慣病患者さんから早期発見を
・認知症は、かかりつけ医が診る
・画像診断技術の発達・普及
・4種類の認知症治療薬で適切な選択を
・認知症治療は、医療・介護・地域(家族)のトライアングルで
若年性認知症の方も増えている
【事例】――― 40歳で発症。当クリニック最年少の認知症の事例
【事例】――― 精神科の薬をやめ、薬調整と通所介護事業所への通所で改善
【事例】――― 大病院精神科での認知症医療も、さまざまな実態
第2章 「地域包括ケア時代」かかりつけ医が取り組む認知症医療 大場敏明
認知症の患者さんを地域で診ていくために
・臨床のためのガイドラインを参考に
・他の疾患で外来通院中に発見できた例(当クリニック統計)
・長谷川式スケールとMRI?VSRADの結果(当クリニックの統計続き)
「もの忘れ外来」のすすめ
・高齢者患者が多い医院は、もの忘れ外来の開設を
・当クリニックでの「もの忘れ外来」開設初期4年間の経験
・相談担当保健師が参加
・最近のもの忘れ外来、患者さんの動向
・もの忘れ外来、診察の流れ
【事例 一般外来から認知症発見の事例】
?@83歳の高齢男性が認知症治療薬で大幅に改善
?A糖尿病コントロールと薬で認知症改善
?Bドネペジルで暴言・暴力、往診によって改善
【証言】 │││ かかりつけ医のもの忘れ外来、三つのメリット
訪問診療(往診)で認知症を診る
・ますます求められる認知症の訪問診療(往診)
・2011年から3年間の認知症往診事情
【事例】――― 初めての患者さんへの往診は、初回が勝負
【証言】――― 訪問診療から見える認知症の方とその家族生活
【事例】――― 往診によって介護家族も一緒に支えられる
【証言】――― 大場先生との出会い
「地域包括ケア時代」到来!かかりつけ医が中心となって介護・地域との連携をつくっていく
・厚生労働省オレンジプランの7項目
・「地域包括ケア時代」の到来
・重要な地域包括支援センターの役割、怒濤の三連続紹介
【事例】――― ?@ 困り果てた奥さんのSOS
【事例】――― ?A「家の中に誰かいる!」独居の認知症患者さん
【証言】――― 地域にしっかりした医療体制があるからこそ
【事例】――― ?B「ゴミ屋敷」に独居の70代女性
・認知症ケアとの二人三脚、かかりつけ医が積極的に
第3章 認知症医療の重要なパートナー、認知症ケア 高杉春代
認知症介護の姿勢、もう一度根本から考え直してみましょう
もの忘れ外来と相談機能
・早期診断を無駄にしないために
・ともに歩む認知症ケア、「医療と介護の両輪」が重要
自己選択、自己決定の介護事業所を目指す
・強制的にみんなでやらせるのではなく、各自が自己選択
認知症の人が通ってみたい介護事業所
・介護事業所は利用者さんのためにあるべき
・的確な支援で、患者さんは「できる人」へと変化する
・家庭への仕掛けと生活リハビリテーション
【事例】――― 初期認知症の人が行きたがる通所介護事業所がある
・拒否する患者さんには小規模多機能型居宅介護事業所の利用を
グループホームなら、自分らしい生活が見つかります
・グループホームで試みる認知症高齢者の食生活自立支援
【証言】――― グループホーム入居者の見守りと的確な支援をすれば必ずできる
【証言】――― グループホームの食生活自立支援で、表情がどんどん豊かになっていく
その人の人生をつないでいく支援。認知症の人の「自分史づくり」
・患者さん一人ひとりの歴史を知る
・自分史の回想インタビューに携わって
・患者さん、家族、介護スタッフ、ボランティアにまで良い影響
【事例】――― 患者さんの輝いていた人生を反芻し、いまを介護
終の棲家としてのグループホームのあり方
【事例】――― 穏やかに永遠の眠りについた入居者
【息子さんからのお礼の手紙】
【証言】――― グループホームだから豊かで、素晴らしいお別れができた
【証言】――― グループホームで最期まで、その人の生き方を尊重して……
第4章 家族と地域と「ともに歩むケア」が、患者さんを輝かせる
若年性認知症・家族の会
・介護者を支える「家族の会」の重要性
・よりつらい若年性認知症の家族
・家族の会の仲間と歩んでいく
【証言】――― 若年性認知症の家族の会『ふれあい』
【証言】――― 認知症の方を介護する家族のための「三郷の小さなつどい」
独り暮らしの認知症支援と地域の支え
・独り暮らしの認知症高齢者の支援
【事例】――― 介護していたお隣さんが亡くなって……
認知症ケアをする上で、知っておかなければならないこと
おわりに……高杉春代
おわりに……大場敏明
【著者紹介】
千葉大学医学部卒業。
千葉大内科研修を経て、地域病院(柳原病院・船橋二和病院・東葛病院・三郷協立病院など)や診療所勤務。
老人病院勤務時代、認知症(当時は痴呆症)医療の現実に疑問を感じ、2000年、埼玉県三郷市にクリニックふれあい早稲田を開業。
「町医者」志向で地域医療を担い、認知症グループホームや通所介護事業所など六つの介護事業所を運営。
医療・介護・地域(家族)の認知症ネットワーク構築を推進し、「認知症医療新時代、かかりつけ医が主役」を提言。
三郷市認知症ネットワーク会議座長・市介護保険運営協議会委員・市介護認定審査会(元)会長・市医師会(元)理事・埼玉県保険医協会理事長。
内容説明
医療・ケア・地域(家族)のトライアングルだからうまくいく―。患者と家族が笑顔になれる、認知症への取り組みを紹介。初期段階から始める効果的な薬の使い方、患者さんへの接し方、往診の工夫から、上手なグループホーム運営、地域でのネットワーク形成の手法、「自分史」作成の試みまで…患者を輝かせるための具体的な取り組み事例と提言が満載。
目次
プロローグ 患者さんの「その人らしい生活と人生」を支えて(病院外来の限界と、かかりつけ医の役割;その人らしい生き方を支援。小規模多機能型居宅介護事業所の挑戦)
第1章 「認知症急増時代」医療の主役は「かかりつけ医」に(急増する認知症、まもなく患者数500万人に;あきらめず、患者さんの生活と人生を支える医療と介護へ ほか)
第2章 「地域包活ケア時代」かかりつけ医が取り組む認知症医療(認知症の患者さんを地域で診ていくために;「もの忘れ外来」のすすめ ほか)
第3章 認知症医療の重要なパートナー、認知症ケア(認知症介護の姿勢、もう一度根本から考え直してみましょう;もの忘れ外来と相談機能 ほか)
第4章 家族と地域と「ともに歩むケア」が、患者さんを輝かせる(若年性認知症・家族の会;証言―若年性認知症の家族の会『ふれあい』 ほか)
著者等紹介
大場敏明[オオバトシアキ]
千葉大学医学部卒業。千葉大内科研修を経て、地域病院(柳原病院・船橋二和病院・東葛病院・三郷協立病院など)や診療所勤務。老人病院勤務時代、認知症(当時は痴呆症)医療の現実に疑問を感じ、2000年、埼玉県三郷市にクリニックふれあい早稲田を開業。認知症グループホームや通所介護事業所など六つの介護事業所を運営。医療・介護・地域(家族)の認知症ネットワーク構築を推進し、「認知症医療新時代、かかりつけ医が主役」を提言。三郷市認知症ネットワーク会議座長・市介護保険運営協議会委員・市介護認定審査会(元)会長・市医師会(元)理事・埼玉県保険医協会理事長
高杉春代[タカスギハルヨ]
保健師・主任介護支援専門員。1971年、岩手県立衛生学院卒業。1973年、松戸市に入職し母子保健活動を展開。この間、東京大学医学部母子保健学科に1年間研究生として通学。1982年、三郷市に入職しモデル介護認定審査会、ケアプランモデル事業等を実施。2007年、地域包括支援センター所長。2011年、医療法人アカシア会介護統括・教育部長に就任、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。