出版社内容情報
ハンセン病者の「病いの経験」=主観的世界を、語り手との密な相互作用を通して描き出す、気鋭の社会学者によるライフヒストリー論の労作。社会学の新たな可能性を切り拓く。
第Ⅰ部 ライフヒストリーを聞き取るということ
序章 フィールドに出る、ライフヒストリーを聞き取る――「わたし」の経験
1 はじめに――ハンセン病・ハンセン病療養所について
2 なぜ「わたし」はハンセン病療養所入所者の聞き取りをするようになったのか
3 聞き取りという実践――ハンセン病とかかわる「わたし」の経験
4 ハンセン病療養所入所者からライフヒストリーを聞き取るということ
5 課題
第一章 ハンセン病者研究の方法論的視座
1 ハンセン病者のなにに焦点をあてるか
2 「病いの経験」と「病いの語り」
3 ライフヒストリーの方法論
第Ⅱ部 ハンセン病者の「病いの経験」
第二章 ハンセン病者にとっての「家族」
1 はじめに
2 ハンセン病療養所とその入所者の現況
3 入所者と家族
4 入所者にとっての「家族」とは
第三章 「悔い」を生きる
1 ある論評
2 発病から療養所入所まで
3 結婚
4 在郷家族との関係
5 「後悔すること」の意味
第四章 「正直に」生きる
1 独特のアイデにならない理由
2 原告になることの苦悩――社会復帰者 沢口明さんの経験
第八章 「訴訟期療養所」というフィールドで
1 ハンセン病訴訟原告勝訴
2 訴訟期ハンセン病療養所
3 あるフィールドワーク
4 フィールドワークを終えて
5 差別をめぐる位置取り――告発、啓発、忌避、そして、向き合うこと
むすびにかえて
1 語ることの困難さとその克服
2 誰がどのように語りを聞くか――語りと社会的コンテクスト
3 今後の課題
補遺
ハンセン病政策史の概要
1 戦前のハンセン病予防政策
2 戦後のハンセン病予防政策
3 「らい予防法」の内容
4 「らい予防法」廃止
5 「らい予防法」違憲国家賠償請求訴訟提訴と原告勝訴
文献一覧
資料
あとがき
内容説明
ハンセン病者の「病いの経験」=主観的世界を、語り手との密な相互作用を通して描き出す、気鋭の社会学者によるライフヒストリー論の労作。
目次
第1部 ライフヒストリーを聞き取るということ(フィールドに出る、ライフヒストリーを聞き取る―「わたし」の経験;ハンセン病者研究の方法論的視座)
第2部 ハンセン病者の「病いの経験」(ハンセン病者にとっての「家族」;「悔い」を生きる;「正直に」生きる;「六つの名前」を生きる ほか)
補遺
資料
著者等紹介
蘭由岐子[アララギユキコ]
1958年兵庫県生まれ。1983年奈良女子大学大学院家政学研究科修了。奈良女子大学博士(学術)。九州女子大学専任講師を経て、現在、賢明女子学院短期大学生活学科助教授。専攻は家族社会学、質的調査法、医療社会学
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