出版社内容情報
小学六年生の海月は、夏休み中、弟・一樹が入院する病院近くの「ひまわり食堂」に通っている。病気の弟につきっきりの母と忙しい父のため、洗濯や買い物など家事の手伝いをする海月は、両親へのさみしさや友だちを作る時間さえもてない日々に、誰にも言えない複雑な感情を抱えていた。
ひまわり食堂の店主の孫・桜子と、常連客・蓮の二人に出会い、店に残された迷い猫の飼い主を一緒に探すなかで親しくなっていくが、海月はやがて桜子が自分と似た気持ちを抱えていることや、蓮の秘密を知っていく。
「病気の弟なんていなくなればいいのに。」そう思ってしまう自分を「悪い子だ」と責める海月だが、ある日弟の容体が悪化したとのしらせがあり―――。
家族を支えたいと思う気持ちと、自分を大切にしたいと思う気持ち。相反する感情を抱え揺れ動く子どもの心情と、ありのままの気持ちを認め受け入れていく、ひと夏の子どもの成長を瑞々しく描いた児童文学。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
環実
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朝のあたりまえが突然失われる。日常の儚さを識る。難病を抱えた家族がいる。家族揃ってご飯を食べることはない。クラスの子たちと同じような行動はできない。えらいね、言われてうれしかったことなんかない。言えないことを抱えて言わないと決めたことがある。重過ぎる荷。どうしようもない現実。どうして自分だけ、自己憐憫のループ。自然に足が向く基地のような食堂がある。ジャグリングをする病院のクリーンスタッフが異を放つ。終盤「元気」が多出するシーンがある。気になって意味を辞書で調べてみた。わたしもがんばるぞという気持ちになった2026/06/19




