出版社内容情報
学習療法で脳を活性化させ、役割探しで高齢者に施設でお仕事をしてもらう。これが高齢者の自立支援やスタッフ育成につながった。●自立支援や人材育成などに悩む介護関係者、必見!
「認知症になったらもう終わりだ」「介護施設は、あの世に行くまでの面倒みるところ」
かつては、介護や認知症に対して悲観的、否定的なイメージが一般的だった。
そんな中、「お年寄りには、もっと可能性がある」「認知症でも、もっと元気になれるはずだ」と可能性を追求し続けてきた介護施設があった。
それが永寿園。福岡県大川市にあるこの特別養護老人ホームは、山崎律美園長のもと、「認知症ケア」や「自立支援」といった言葉が広まる前から、お年寄りの可能性を引き出そうと努力をし、驚くべき事例を残してきた。
◎学習療法を通じて高齢者を「深く知る」ことで「個別の介護」へ
学習療法では、ほぼ毎日、高齢者とスタッフが約20分の学習とコミュニケーションを行う。そのため、高齢者の趣味や好み、過去の思い出など様々な情報を得ることができる。そうした情報をスタッフ間で共有し、高齢者一人ひとりの介護に活かす。
◎スタッフからの「ありがとう」で高齢者が元気に
永寿園では、エプロンたたみ、館内放送など、お年寄りもできる範囲の役割を持っている。ひと仕事終われば、スタッフが「ありがとうございました」とお礼を言う。これがお年寄りをますます元気に。
◎人を育てたスタッフが評価される
永寿園では、人を育てリーダーシップを取れる人材が評価される。部下や後輩のことをよく考えて、いい指導ができるスタッフは、お年寄りのこともよく考えて、いい介護ができるようになる。
他にも「どうやってスタッフを育てたらいいのか」「自立支援はどうすればいいのか」といった課題へのヒントがいっぱい!
今までの介護の概念、認知症の概念が崩れる1冊!
学習療法センター[ガクシュウリョウホウセンター]
著・文・その他
山崎律美[ヤマザキリツミ]
著・文・その他
内容説明
「いい施設」を追求してたどりついた「個人別の介護」。お互いに深く知り、認め合い、高め合うことで、高齢者と介護スタッフの「生きがい」と「自信」、そして「自立支援」につながった!
目次
第1章 異常な世話好き(「介護の質はスタッフの質で決まる」という現場の声;小学生のとき親や教師に抗議 ほか)
第2章 学習療法で見えた「いい介護」(車椅子でずっと寝っぱなしでは、寝たきりと同じ;学習で認知症高齢者がまるで別人に ほか)
第3章 人を育てられるスタッフが「いいスタッフ」(「オーナーのお嬢さん扱い」をされたくなかった;経営者である両親がスタッフに遠慮して改革できない ほか)
第4章 施設のトップが大事にすべきは現場、現場、現場(仕事のマンネリ化がスタッフの意欲を奪う;自分達の介護は道半ばだと思って、挑み続ける ほか)
第5章 最終目的は地域に信頼されること(お一人おひとりに合った介護をするには、地域の理解が不可欠;地域の集まりで認知症の出前講座を開始 ほか)
著者等紹介
山崎律美[ヤマサキリツミ]
1948年、福岡県大川市生まれ。淑徳大学社会福祉学部卒業。厚生労働省社会局国立福岡視力障害センター生活指導員専門職、佐賀県福祉生活部身体障害者施設生活指導員、児童施設・児童指導員、福祉事務所ケースワーカーを経て、1992年、社会福祉法人道海永寿会・特別養護老人ホーム永寿園に入職。2003年、西九州大学大学院健康福祉学修士課程修了。現在、社会福祉法人道海永寿会総所長と特別養護老人ホーム永寿園園長を兼務している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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