出版社内容情報
写真、本、手紙、長い時間を生きのびてきた紙には、人々の記憶まで残されています。それを救うことで、被災者の大きな力になるのです
【著者紹介】
福島県生まれ。岩手大学大学院修了。『チョコレートと青い空』(そうえん社)で日本児童文芸家協会新人賞受賞。宮城県角田市で和牛肥育&水稲&林業の専業農家のかたわら、創作を続けている。日本児童文芸家協会会員。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」・「青おに童話の会」同人。著書に『林業少年』(新日本出版社)、『命のバトン』(佼成出版社)など。
内容説明
写真、本、手紙や書き物、賞状…、長い時間を生きのびてきた紙には、人々の記憶まで残されている。東日本大震災の被災地や、全国のボランティア団体などで進められた、被災した写真を救う「写真洗浄」。
目次
第1章 大船渡の海を見て、世界へ
第2章 大船渡にもどってからの日々
第3章 東日本大震災
第4章 思い出の品をレスキューせよ!
第5章 写真の記憶をつなぐ
第6章 おかえりプロジェクト
第7章 紙本が受けつぐ命
第8章 流された魚籃観音
著者等紹介
堀米薫[ホリゴメカオル]
福島県生まれ。岩手大学大学院修了。『チョコレートと青い空』(そうえん社)で日本児童文芸家協会新人賞受賞。宮城県角田市で和牛肥育&水稲&林業の専業農家のかたわら、創作を続けている。日本児童文芸家協会会員。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」・「青おに童話の会」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふじ
17
紙本・書籍保存修復士という仕事をこの本で初めて知りました。大船渡の方。憧れのイギリスに行きたい!と仕事を辞め語学留学、西洋美術も学び、さらに美術品の修復を学びたい!から紙本の修復を学ぶ。その他諸々興味関心からの行動力がすごい。そして帰国後見舞われた震災。被災写真の洗浄ボランティアの中心人物がこの方だったとは。最後にあった、日本では修復士がまだボランティアとして活動せざるを得ない実態も強く印象に残りました。個人の古書は郷土にとって価値あるものなんだけど、保護が追いつかない。2021/01/28
杏子
17
紙本・書籍保存修復士、そして製本家の金野聡子さんの古書の修復と東日本大震災で被災した写真を救う写真洗浄のお話で、とてもためになりました。本の修復では、もと通りの状態にもどすことだけでなく、これ以上傷まないよう、次の時代にまで残していける状態にすることを着眼においてされているとのこと…いいですね!被災した写真の洗浄はそれ以上に大変な作業。協力してくれるいろんな方がいてよかった。何にでも積極的に取り組み、行動していく金野さんの姿勢は素晴らしい!見習わねば!この本、ぜひ子どもたちも読んでほしい。本、大切にね。2014/11/16
かち
10
紙本・書籍保存修復士の金野聡子さんのお話。東日本大震災時に津波で流された写真などを修復される様子が詳しく書かれていました。記憶のリレーなんですね…。おかえりプロジェクトも素晴らしい企画ですよね…知らなかった。世界中の製本家の方々の温かい気持ちが日本に寄せられていたんですね…2014/08/25
まげりん
9
写真を洗浄して持ち主に返している団体があるというのはしっていた。この人なのかぁ。読んでいるだけで果ての無い作業だということがわかる。実際は途方に暮れる事も多かっただろう。と同時に、専門家の底力を実感する。自分の技術に対する知識の貪欲さがすごい!本当に頭が下がる。「地味かも知れないけど、こういうすごい専門家が居るんだよ」って伝えたい。目に見える物だけがすばらしいことじゃない。世の中にはいろんな仕事がたくさんあるんだよ。私は、図書室を通して子供達に伝えよう。2016/04/10
おさと
8
児童向けの本なので平易な文章で分かりやすい。文化財修復もあるのだから言われてみれば本専門の修復士もあって当たり前だ…が、どうして気が付かないかなあ…自分。紙の本の良さと、和紙、筆の素晴らしさをにも気づかせてもらえる本。2014/05/04