内容説明
家業の質屋をつぎながら、儒学も学んでいる重富は、ある日、星を観測する医者麻田剛立と出会い、ほんものの天文機械のとりこになる。少年時代、重富は渾天儀をひとりでつくったことがあるからだ。剛立の天文塾に入門すると、重富はそこで生涯の友高橋至時と出会う。西洋天文学を学び、夢中で天文機械を研究した重富は、世界一正確なからくり時計「垂揺球儀」を完成させる。そして、重富は、至時とともに「寛政の改暦」を果たすことになる。
著者等紹介
鳴海風[ナルミフウ]
1953年新潟県生まれ。子どものころからマンガを描いたり、粘土細工をしたり、動くオモチャを自分で作るのが好きだった。秋田高校から東北大学へ進み、機械工学を専攻。博士(経営情報科学)。自動車部品メーカーのデンソーで生産技術を研究するかたわら、江戸時代の数学をテーマにした和算小説を多く発表。見て楽しめるビジュアル講演も得意。主な著書に、『円周率を計算した男』(1992年歴史文学賞受賞)などがある。2006年、和算小説で数学の普及に貢献したとして日本数学会出版賞受賞
高山ケンタ[タカヤマケンタ]
1968年愛媛県生まれ。広告代理店でグラフィックデザイナーを経験した後、画家となる。またイラストレーターとして多くの挿絵、キャラクターデザイン、ロゴデザイン等を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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pocco@灯れ松明の火
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宙と天文学:読友紹介感謝!!大阪商人と侍と医者が和算・儒学を学び、天体観測~改暦まで。公家や武将や天文方を動かす苦難と歳月は恐ろしく>>身分を越えた文殊の知恵。凄い向学心!天体観測機器と資料解読は三人の息子の代まで。世は士農工商、役人や公家の世。改暦から伊能の地図作成までもが、大阪の底力!先見の明、人界戦術も見事。 大阪の皆様へお薦めします!2012/09/07
四男の母
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努力と勉強や頑張っていきている姿がわかりやすくかいてあり読みやすい。同じシリーズの伊能忠敬は子どもも読んでいたので、この本も一緒に読むといいな。2017/06/04