内容説明
『ダルマ』の道夫と和男、『手紙』の研之介とヤッちゃん、『ひったくり』のぼくとこうちゃん、『みつばち』の春子と真理とミズキ。いつもと同じ毎日がやってくるはずなのに、思いがけない事件が待っていた。へいぼんな一日がすこしちがって見えてくる四編の物語。
著者等紹介
丘修三[オカシュウゾウ]
1941年、熊本県生まれ。養護学校教諭として二五年勤務した後、文筆生活に入る。主な作品に『ぼくのお姉さん』(児童文学者協会新人賞・坪田譲治文学賞・新美南吉文学賞)『少年の日々』(小学館児童出版文化賞)『口であるく』(産経児童出版文化賞(ニッポン放送賞))などがある
片岡まみこ[カタオカマミコ]
1968年、東京都生まれ。文化学院美術科卒業。1992年よりイラストレーターとして活動。現在は立体イラストレーション・コルク人形作家、兼、版画作家。『小説推理』(双葉社)の表紙をはじめ、雑誌・書籍・広告の表紙や挿し絵を手がけるなど、幅広く活躍している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小夜風
31
【小学校】普通の子どもたちがちょっぴり普通じゃない事件に巻き込まれる四編の物語。何となく感動的に書かれているけれど、正直…嫌な話だなぁと思いました。子どもたちがほんの出来心で犯してしまうちょっとした犯罪まがいの事柄が、そんなことを自分の子どもには絶対にしてほしくないし、子どもだからしょうがないなんて笑って許せないから。タイトルそのまま「ひったくり」が一番その傾向が強いけど、他の三編も自分の中では似たような感じ。これが子どもたちの現実なのだと言えば、そうなのかもしれないけれど…。2017/04/23
マカロニ マカロン
15
個人の感想です:B。『だるま』は視覚障害の友達を持つ小学5年生の話。『ひったくり』はまさかの少年犯罪。そんな結末で良いのかと思うが、『手紙』の故人のお父さん同様「人の心のいたみ」が分かる人なのだろう。最後の『みつばち』は消えた100万円をめぐるミステリーだが、意外なフーダニットとホワイダニットだった。しかし、疑いを掛けられると生きにくいし、本書の書かれた2005年以降、SNS全盛の現在では大バッシングを受けそうだ。挿絵の片岡まみこさんの版画がとても素晴らしい2022/02/13
みー
10
丘さんのお話は、本当に心の奥まで届くんだ。内容は、道徳的。小学校の道徳の教科書に載っていてもおかしくないくらい、こんな時にどうする?どんな気持ちになる?って事を深く付きつけてくる。でも、これはこうした授業として習うのではなくて、自然に手に取って貰って、自然に感じて、人としての感情を大いに揺さぶられ、身を持って感じてもらいたい。決して授業と言う枠で手にするのではなくて、リビングにポンッと置いておいて貰いたい・・。そう感じる本。子供の頃にこういった本に、自然に触れる機会があるといいなぁと、心から思う。2015/09/27
ヒラP@ehon.gohon
10
4つの短編集です。 ごく普通の友だちづきあいに、少し日常的ではない出来事を描いています。 心の片隅にちょっとうずきを感じるようなお話ばかりです。 それぞれ、他人事にできないお話でした。 考えさせられる内容です。2011/10/25
Naomi
9
「ダルマ」「手紙」「ひったくり」「みつばち」 日常の中に非日常がやってくるお話。ありえない感じがするけど、登場人物の気持ちや行動に現実味があるから、身近なお話として読める。子どもたちにとっては、大事件だよな~って思う。ちょっと切ないけど、「ダルマ」がよかった。2013/04/16