出版社内容情報
ガロア理論を今度こそ理解したい人のための超入門書です。ガロア理論を図形の観点から「5次以上の方程式に解の公式が存在しない」ことの理由を探っていきます。
内容説明
20歳という若さで決闘で亡くなったガロア。死の直前に書き残した「ガロア理論」は現代数学の根幹をなす金字塔として輝いている。5次以上の方程式に解の公式が存在しないことを4次以下の解法を視覚的につかみながら探る。
目次
序章 天才ガロアの生涯
1章 方程式を根号で解くとは?(「根号」の産みの親は「方程式」;「根号」のかげに「回る1の累乗根」 ほか)
2章 方程式を解いてみよう(因数分解による3次方程式の「解の公式」;因数分解による4次方程式の「解の公式」 ほか)
3章 ガロア群を見てみよう(「目で」見るガロア群;「逆」から見た3次方程式 ほか)
付録 資料
著者等紹介
小林吹代[コバヤシフキヨ]
1954年、福井県生まれ。1979年、名古屋大学大学院理学研究科博士課程(前期課程)修了。2014年、介護のため教職を1年早く退職し、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
naoto
3
わからないながらも面白かった。わからないことには変わらないけど(笑)5次方程式に解の公式がない、というお話でいいのかな?5次方程式が絶対解けないというわけではなく、解けないのもあるってこと。いろんな、文字式以外のことも出てきたけど、わかるようなところもある。とりあえず、わからなくても楽しくなってきたのは前進かな。2021/06/30
NulliusInVerba
2
図が多く、なんとなく理解した気分になるにはいいかと。 ただ重要なガロア群の定義が雰囲気だけで、自分が見た限りどこにもはっきりと書いていおらず、ある方程式のガロア群を自分で見つけ出せるようになるにはこの本だけは難しい。良く正体のわからない物の説明が続くといった印象を受けた。2017/03/20
フィ
2
「ガロア」と言う早熟・夭折の人と、その短い人生の中で創出された「ガロア理論」には、数学の素人であっても、惹きつけられてやまない。著者は、理屈でなく、感性で理解してもらう眼目で本書を執筆したという。1章方程式を根号で、2章方程式をとく、では3次・4次方程式を、ここまでは割とスムーズに読めた。3章いざガロア理論、では、数学用語が青字で強調され分かりやすかったが、一読では全て分かった実感がなかった。再読しよう。しかし、遥か昔、高々20歳で時代を超越した理論を拓いた超天才ぶりに、ただただスゲェーの嘆息のみ。2017/03/05
お試し君
0
5次以上の方程式には、解の公式がないことは書いてあった。 自分の知識不足のためだろうが、何故ないかはイマイチわかりませんでした。 読み物としてはありですが、本当に入門編でしょう
Hirotsugu Fujii
0
数学を大学院まで学び、さらに高校でも教えられていたという経歴が納得できる、とても教育的な本。「2,3,4次方程式を解く」という手続きを、具体的な例と図表を用いて説明してあり、初歩から段階を踏んで進むスタイルがとても良い。解法の整理には、ラグランジュの貢献が大きい。ガロアという天才も、もちろん、ラグランジュやガウスの貢献を知った上での、最後の大きな一歩を進めた、ということがわかった。群論の初歩を知っているけれど、結局、方程式の解の公式とどういう関係が?という方には、とてもオススメ。2021/12/28