内容説明
動物たちの心の中を覗いてみたいと思ったことはありませんか?そんな夢に挑戦するのが「動物心理学」。100年余りの研究で、そんな心の働きが明らかになってきました。動物たちの心の世界、それは一体どんなものだろう?
目次
第1章 動物の心に迫る
第2章 動物の心を知る方法?
第3章 動物から世界を見ると?
第4章 動物だっていろいろ学ぶ
第5章 動物だっていろいろ考える
第6章 動物は仲間を気にかける?
第7章 動物は自分のことをどれくらい知っている?
著者等紹介
藤田和生[フジタカズオ]
1953年大阪府生まれ。京都大学大学院修了。理学博士。同霊長類研究所助手などを経て、京都大学文学研究科教授。日本動物心理学会理事長。専門は比較認知科学。サルやハトやイヌなどを対象に、心の進化を研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちさと
31
動物はハマりもするし凹みもするらしい。主に比較認知学・動物心理学の研究を用いて動物の心理に迫りながら、環系統発生的・生活史的制約がその心理(と進化)にどう影響しているかを検証、考察していきます。遺伝的な近さだけではヒトに近いとは言えない事がよく分かりました。研究の難しさや動物実験の意義についてのコラムも興味深く、読んでよかったと思う良書した。何が大切かはそれぞれの種で異なる。それってヒトの個体間でも同じ事が言えて、「頭の良さ」とか「心の働き」は相対的には決められないんじゃないかな、なんてことも考えた。2019/01/02
しらぞう
13
うちのダックスフントの考えが知りたくて読んでみた。ご褒美にしても、叱るにしても、行為の直後にしないと意図が伝わらないという。甘噛みをやめさせるため、そのクセが出たら、楽しい遊びも中断してみる。僕のこの気持ちが伝わるだろうか?また、時間の長さも分かるという。人間の食事のおこぼれのおねだりに、すぐに対応せず1分に1回と決めてみたら、確かに30秒くらいは我慢している。ちょっとだけ進歩かな?そのほか、道順や位置関係が分かるというのも散歩ルートで実感するなど、ペットとのやりとりが動物実験の発見みたいで面白い。2019/01/12
たかね@心理学
4
ハトの遅延見本合わせのイラストが書かれていると知り動心にて購入。下手な概論書よりも多くの実験が紹介されている。また、内容も平易に書かれており、初学者や中高生も楽しむことができる。ただ、「心」の扱いなど比較認知の部分が濃く、最近の動心寄りである。2015/10/05
Carol
2
(人以外の)動物すごい!人は「人間は特別」「人間はすごく進化している」と思ってしまいがちだけれど、そもそも生き方が違うのに人間の尺度で考えている時点で人間はすごくないんですよね。動物はそれぞれの生のために必要な能力を過不足なく持っているんだなぁと思いました。それにしても、動物の心理や思考を調べるために、研究者の人たちが考え出す実験方法がユニークすぎて、それにもびっくり。よく思いついたな!と思う実験ばかりで面白かったです。2021/11/23
Noriko S
2
動物心理学について、彼らから見る世界、学び、思考、社会性、自己認識を様々な実験結果をまとめた本。犬や猫、サル、ハト、結構賢いことわかった。そして、それぞれ優劣つけがたい点があることも面白かった。人間よりも優れてる点もあり、彼らを見る目変わりそう。 2021/06/16