内容説明
震災により防災意識が高まった今、自分の住む土地の安全度を確認したい、という声が多くきかれるようになった。本書は地名の由来を知ることで、過去にあった災害を読み解き、自然とうまくつきあいつつ、最悪の事態を回避する知恵を提供する。引いて便利な災害地名リストを収録。
目次
特集 災害大国・日本―身を守るために何を知るべきか
序章 東日本大震災が教えてくれたもの
第1章 地名は土地の様を表す
第2章 震災が浮き彫りにした災害地名の真実
第3章 過去の災害に見る首都圏の災害地名
第4章 災害地名を読み解く
第5章 災害地名の見つけ方
著者等紹介
遠藤宏之[エンドウヒロユキ]
地理空間情報アナリスト。地図会社で地図作成に従事し、写真測量による地形図作成からGIS、地図出版やWeb地図まで幅広く携わる。2003年頃からハザードマップや災害情報図などをテーマにした防災系の共同研究に参加。現在は地図専門誌の副編集長を務める傍ら、ブログやツイッターを利用して地図や防災の普及啓発に努める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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mazda
32
東日本大震災で地滑り被害が確認された場所として、仙台では緑ヶ丘、松が丘、若葉町、双葉ヶ丘、桜ヶ丘、旭ヶ丘、南光台あたりがあるそうです。だいたい位置関係がわかるのですが、この⚪︎⚪︎丘や⚪︎⚪︎台はイメージ地名と呼ばれるそうで、災害などに由来する昔の地名をイメチェンして宅地の販売促進のためにつけられた名前だそうです。そもそもそこがどういった土地だったのかを知らないで家を建てるのは、非常に危険だと思います。出来るだけ古い地図や航空写真などを活用し、その土地の素性を知ることが必要だと思いました。2015/09/18
らっそ
8
和田という地名は川が蛇行している事を示しているらしい。和田を含む岸和田という地名が点在している理由がわかった。岸和田市の岸和田は、もともと岸という地名だった所を和田さんという武将が治めたからだと聞いていたので、今まで和田さんは岸という地名を狙ってあちこち統治したんだと思っていた。この本の目的とは外れるけどスッキリした2020/01/17
こざるん
6
3.11以降、こういった内容が注目されるのだろう。イメージ地名による元来の地名の上塗りなどは、わが意を得たりという感じ。同じ内容の繰り返しが多かったのと、系統立っていないのが少々残念ですが、おおむね興味深かった。でもまぁ、読み進めると、あれも水害地名、これも。。。となってくる。日本はどこでも多かれ少なかれ、災害の危険性は否めないですよね。ここは大丈夫、っていう土地はほぼないような。。。2019/03/13
てら
3
昨日が阪神淡路大震災の日だったので読んでみた。 定期的に災害系の本を読むべきだと思ったよね。災害が起きてからじゃ遅いからさ。 災害地名リストがあったので、引っ越すときとか家買うときに再読しよう。 災害地名は音で残っているので、現在の地名に惑わされないこと。 何やかんや言いながらも、結局は土地条件図や治水地形分類図などを読むべき。 2020/01/19
ちぃ
3
図書館福袋本。同じことを何度も書いている気がしたのが残念。合併で名前が変わってしまったり、造成でイメージ地名が付けられたり…。昔の人が「地名」で警告してくれていた災害を上書きしてしまっている。水害地名情報多。家を建てる時は、古地図を見たほうがいいかもな~。2016/02/07