内容説明
ダーヴィンの『種の起源』が出版されたのは1859年。ダーウィンの時代にくらべれば、科学・技術は長足の進歩をとげ、生物学における謎も多くが解明されてきた。しかし、いまなお『種の起源』が色あせないのは、生物進化における良質な理論であることはもちろん、そこにダーウィンの偉大なる科学者としての姿が読みとれるからだ。
目次
人為選択
「種」とは何か
生存競争
自然選択
生物変化の法則
学説の抱える問題
本能
雑種
なぜ化石が足りないのか
生物の連続性
生物の分布
生物の分類
結論
付録 その後の進化論
著者等紹介
ダーウィン,チャールズ[ダーウィン,チャールズ][Darwin,Charles]
1809年生まれ。イギリスの自然史学者。1831年、ケンブリッジ大学を卒業後、イギリス海軍の測量船「ビーグル号」での航海に誘われ、世界を周遊する。1858年、49歳のときにアルフレッド・ラッセル・ウォレスと共に「自然選択説」を発表、翌年『種の起源』を刊行する。1882年没
夏目大[ナツメダイ]
1966年大阪府生まれ。翻訳家。翻訳学校「フェロー・アカデミー」講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫羊
23
読みやすい本だな、と思いながら読み始めたら、14歳の読者を目安にして書かれていた。すらすらと気持ちよく読める文章だし、進化論の超訳というだけでなく、「進化論」が書かれたころのヨーロッパの世相、ダーウィンの経歴や人となりまで紹介されていたのも良かった。本編の「進化論」をより深く読み込むことができたような気がする。この本は自信をもって甥にプレゼントできる。2013/10/23
小木ハム
22
銃・病原菌・鉄からの二段コンボで理解が深まる。進化論の根幹をなす考え『自然選択』により1000年単位で生物は徐々に姿形を変え、種族を分岐させてきた。動物も昆虫も魚も人間も、元をたどれば一種類の生物=種の起源がある、とするのがダーウィンの考え。私たち人類は『生命の樹』のごくごく一部分しか見えないし、これからも目にすることが出来ない。当時主流だった″数多の生物は神が創造した″というよくわからない常識にブレイクハンマーを降ろした先生は偉大。2019/04/11
みかん
13
14歳向けなので読みやすかった。面白かった。ダーウィンの様な人が長生きすれば、この世界はもっと豊かになりそうだな。私のような人間は滅びて、ダーウィンの様な人が異様に長生きすればいい。人間もそんなふうに変化すれば良いのに。とかいう鬱感想が浮かんだ。ずっとワクワクしながら読めた。ダーウィンはもっとワクワクしてただろうな。2024/01/21
おいかわ
12
元々、ダーウィンの《種の起源》を読もうと書店で探していたのですが、あまりの分厚さに挫折(笑)そしてその近くでこの超訳版に出会いました。とても読み易く、サラッとしていますが、入口にはちょうどいいかなと。これまで多くの生物が絶滅していったように、いつか人類が滅ぶ日も来るのだろうか。2015/10/05
hatman
10
ダーウィンは裕福な医者の家庭で生まれ医者を志すが世界一周するビーグル号で船長の話し相手として乗船し帰国後に執筆。滅多に有利に働くことの無い個体差が、長い時間をかけて生存に有利な状態に変化(進化)していく。自然は個体差を積極的に選択することは無い。劣性遺伝により隔世遺伝が発生する。両親の血縁が近いと病気を引き起こす優先遺伝を持つ可能性が高くなる。モグラの目の退化は見る必要が無くなったことより目の炎症の発生頻度を下げる効果が有利に働いたから。幼い時期の方が品種間の違いが小さい(犬の赤ちゃんはどの種も似ている)2023/03/27
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