目次
第1部 詩への細道(この本を読みはじめる前に読者への三つの質問;世の中に詩人になるほど簡単なことはない;どんな詩がいい詩なのか?詩人とは何か?―終りに八木重吉 ほか)
第2部 星屑ひろい(詩がかけないのが本当の詩人 山村暮鳥の晩年の詩風;最高の傑作は俗悪スレスレ 島崎藤村と中原中也;心にひびく珠玉の言葉 堀辰雄と『青猫』ぼくと井伏鱒二 ほか)
第3部 風の口笛(ある落語家の言葉―「自分の中に取りいれる才能」そして、詩人になりたいならあまり詩の本は読まないことそして「雲雀」;ぼくの足がサイダーのんじゃったことそして、カミナリ見物が大好きな高田敏子さん;現在の社会は一割まちがっていても九割は正当と信じて自己反省することそして「空の羊」 ほか)
著者等紹介
やなせたかし[ヤナセタカシ]
1919年、高知県生まれ。旧東京高等工芸(現千葉大)図案科を卒業。漫画家であると同時に童話画家であり、詩人であり、作家であり、その愛と詩情にあふれる世界は多くの読者を魅了している。著書に『愛する歌』他、レコード『手のひらを太陽に』他。現在は季刊誌『詩とファンタジー』の責任編集を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いっち
30
著者はアンパンマンの作者。詩を書き、詩集の編集もしていた。良い詩を書きたい人におすすめ。良い詩とは何か。「あなたがいい詩とおもうものがいい詩」と著者は言う。 例えば、「背筋のある部分がふるえだすような感覚におそわれるもの」「この詩はノートにかきうつしておきたいというふうにおもうもの」「あんまりくりかえして読むためにすっかりその詩をおぼえてしまうようなもの」。ただ、うまい詩をつくることは、最初から間違っているそう。「人生をどういうふうにけんめいに生きるのか、そのこと自身にかかってくる」と言う。懸命に生きる。2022/08/21
ムフィー
16
とても良かった。あまりに心うちに響いたので、言葉が見つからない。やなせたかし先生、ありがとう、しかない。すぐそばで語りかけてくれているような親しみに満ちたこの本から学ぶことが多すぎる。2017/02/12
コジターレ
11
全文音読で読んだので数か月かかってしまったが、心地よい時間を過ごすことができた。僕も数年間詩を書いていたが、あの頃の気持ちや詩に向き合う熱情のようなものを思い出しながら読んだ。詩というものが何のか、本質的な話を聞けて満足。2018/03/14
和菓子男子
8
一章が一編の詩のような素敵な本だった。やなせさんの温かい心に濾過された綺麗な言葉、思い、考えが胸に染み渡った。今まで詩に対して神秘さや荘厳さをみてきたけど、そんなことはない。人間が生きていく道で残す泥だらけの、でも世界でもっとも美しい言葉なのだ。もっと詩は生活に身近なのだと気が付いた。 詩って素敵だなと気付かせてくれる詩のような素敵な本だった。2014/07/04
ぽちょたん
7
やなせ先生の話し方がそのまま描写されていて、クスクス笑いながら読んでしまう。やなせ先生が好きな詩人や詩についてユーモア溢れる解説に心がほっこり。2013/12/15