アート・パワー

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  • サイズ 46判/ページ数 344p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784773816228
  • NDC分類 704
  • Cコード C0070

出版社内容情報

芸術の終焉後に、新しいアートを始めるために?。コンテンポラリー・アートを牽引する美術批評家によって明らかにされる美術の現在。芸術の終焉後に、新しいアートを始めるために



商品化プロパガンダか?アートはどこから来て、今どこに向かおうとしているのか?

コンテンポラリー・アートを牽引する美術批評家ボリス・グロイスによって明らかにされる美術の現在。



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「コンテンポラリー・アートとは趣味の過剰であり、そこには趣味の多元性も含まれている。この意味で、それは多元的な民主主義の過剰であり、民主的な平等性の過剰である。この過剰は、趣味と力の民主的均衡を安定させると同時に不安定にする。実際、現代の芸術を全体として特徴づけているのは、このパラドクスなのだ。



私がここで告白しなければならないのは、本書に収められた私自身のエッセイもまた、今日のアートワールドにおけるある種の勢力均衡に貢献することを願って書かれたということだ?すなわち、政治的プロパガンダとして機能する芸術のための余地を、アートワールドのなかにもっと見出すことを願って。



私たちが近現代の芸術(モダン・アート)作品と呼ぶ、芸術家が偶像破壊を流用して生み出したパラドクス・オブジェクトが、いかに続く論考の、直接的ないし間接的な主題である。」(本書「序」より)

ボリス・グロイス[ボリス・グロイス]
1947年、旧東ドイツ生。哲学者、美術理論家、批評家。冷戦時代のソヴィエト連邦で学び、70年代後半にモスクワ・コンセプチュアリズムに関する論考で批評家としての活動を開始する。81年に西ドイツに亡命し、以後、ドイツ、米国を拠点に活動。戦後ろしあ・東欧の前衛芸術をはじめ、近年ではコンテンポラリー・アートについて積極的に論じる。美術の制度や美術と社会、そして政治との関係を哲学的な視点から分析するその著作は、美術界に大きな影響を与えている。本書Art Powerの出版によって、2009年に大学美術協会(CAA)からフランク・ジュエット・マザー賞を受賞。米ニューヨーク大学ロシア・スラヴ学教授、独カールスルーエ造形大学特別研究員を務め、2011年ヴェネツィア・ビエンナーレにロシア館キュレーター、2012年上海ビエンナーレに共同キュレーターとして参加している。邦訳書に『全体芸術様式スターリン』(現代思潮新社、2000年)がある。

内容説明

商品かプロパガンダか?アートはどこから来て、今どこに向かおうとしているのか?コンテンポラリー・アートを牽引する美術批評家ボリス・グロイスによって明らかにされる美術の現在。

目次

第1部(平等な美学的権利について;新しさについて;キュレーターシップについて;生政治時代の芸術―芸術作品からアート・ドキュメンテーションへ;方法としてのイコノクラスム―映画における偶像破壊の戦略;イメージからイメージファイルへ、そして再生―デジタル化時代の芸術;多重的な作者;複製ツーリズム時代の都市;批評的省察)
第2部(戦争中の芸術;英雄の身体―アドルフ・ヒトラーの芸術論;大衆の教育―社会主義リアリズムの芸術;多様性を超えて―カルチュラル・スタディーズと他者としてのポストコミュニズム;私有化あるいはポストコミュニズムにおける人工楽園;ヨーロッパとその他者)

著者等紹介

グロイス,ボリス[グロイス,ボリス] [Groys,Boris]
1947年、旧東ドイツ生。哲学者、美術理論家、批評家。冷戦時代のソヴィエト連邦で学び、70年代後半にモスクワ・コンセプチュアリズムに関する論考で批評家としての活動を開始する。81年に西ドイツに亡命し、以後、ドイツ、米国を拠点に活動。戦後ロシア・東欧の前衛芸術をはじめ、近年ではコンテンポラリー・アートについて積極的に論じる。美術の制度や美術と社会、そして政治との関係を哲学的な視点から分析するその著作は、美術界に大きな影響を与えている

石田圭子[イシダケイコ]
神戸大学大学院国際文化学研究科准教授。専門は美学・芸術学・表象文化論

齋木克裕[サイキカツヒロ]
美術家。アジアン・カルチュラル・カウンシルの助成で、MoMA PS1のインターナショナル・スタジオ・プログラムに参加する。その後、文化庁在外芸術家研修員として滞在し、以後、ニューヨークで活動

三本松倫代[サンボンマツトモヨ]
神奈川県立近代美術館主任学芸員。専門は近現代美術・表象文化論

角尾宣信[ツノオヒロノブ]
東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース、博士課程に在籍。専門は美学・アフェクト理論・映画論。日本の前衛映画やヴィデオ・アートのほか、サラリーマン映画や風刺漫画なども研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅん

16
「新しさ」とは時間的ではなく空間的なものだという指摘がまずハッとしましたね。美術館とその外部、どこに作品を位置づけるのかが新しさ問題なんだと。スターリニズムを、合理性以外の全てを許容する徹底的な矛盾主義と見なしながら、ソ連・ロシア美術史の文脈で再評価する話もデンジャラスかつ刺激的。ただ、ロシアの話や西ヨーロッパの話は、合わせて読むと矛盾を感じるので、普遍性よりも地域ごとの特殊性をふまえて読んだ方がいいかも。ともあれ「アート」という制度を考える上では必読の本でしょう。つまり全ての人に読まれるべき一冊。2017/12/20

うぉ

9
芸術の価値、芸術の現代社会に対する影響力と相互作用に関する極めて充実した考察。内容が濃くて消化に長時間を要したが、芸術論に興味がある方には全力でオススメしたい。建築学科での勉強を通して得た色々な疑問を一網打尽に解決してくれた。購入して再読する方針。2018/09/27

Akiro OUED

3
芸術も政治も、大衆の賛同を欲求する。だから、現代芸術は政治そのものだ、と著者は訴える。慰安婦少女像を展示した「表現の不自由展」、放火の脅迫で開催を中断した。だけど、大衆の耳目を集めたことで、展覧会自体は成功したんじゃないかな。無視。これこそ芸術に対する最大の侮蔑だよ。好著。2020/09/12

路雨

1
「私たち自身は限られた存在であるので、現実それ自体のなかでは、現実を有限のものとしてしか経験できない。しかし、美術館の小さく管理可能な空間によってこそ、観客は美術館の外側の世界を、素晴らしく、無限で、恍惚としたものとして想像することができる。実際、これが美術館の主要な機能なのだ。すなわち、私たちに美術館の外側を無限として想像させることである。新しい芸術作品は、無限に広がる外部の眺めに開け放たれた象徴的な窓として、美術館のなかで機能する。」『新しさについて』2025/07/01

毒モナカジャンボ

1
「人種主義芸術様式ヒトラー」とも言うべき論文『英雄の身体』がクッソ面白く、ここを起点として全体を見通すことさえできる。現代アートシーンの多元主義は完全な力の均衡というユートピアを目指しており、認識できる新しさでなく真の新しさを産むために、時間(幻想ではあるのだが)・空間のコンテクストを保持するものとして美術館が挙げられる。モダニズムの要請は普遍へ向けた自由の獲得にあり、反美術館、反理論などの運動があった。テロリズムのような恐怖と結びついた崇高の美の回帰もある。ポストコミュニズムアートのユートピア性。2021/01/13

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