内容説明
生沢久野の生涯を史実にもとづいて流麗なタッチで描いたドキュメントノベル。第2回健友館文学賞受賞作品。
著者等紹介
長谷川美智子[ハセガワミチコ]
昭和20年台湾台北市に生まれ、中学生まで鹿児島市で育つ。浦和第一女子高校、東京教育大学(現筑波大学)文学部卒業。昭和52年「さらば太陽の都」が毎日児童小説入選。昭和56年「早春の巣立ち」毎日児童小説入選。’90、及び’91文芸春秋ベストエッセイ入選「母の手まり」「御先祖様からボーナスが」’92愛のサンジョルデイ賞、短編の部入選「明日があるなら」。平成元年第20回埼玉文芸賞準賞受賞「エトランゼ」。平成7年第26回埼玉文芸賞受賞「見沼の波留」。平成12年第2回健友館文学賞受賞「野菊の如く」
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感想・レビュー
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ゆうゆうpanda
20
女医の第二号、生沢久野について書かれた伝記的小説。地元の作家が掘り起こしたもの。父が医者であり、教育については協力的であったこと。容姿が十人並みであったこと。後輩の育成に関わらなかったこと。宿場町の色を売る女性達の健康管理に貢献したこと。こういう理由から、美貌でスキャンダルにもまみれた女医第一号と、男勝りで海外留学までした第三号の間にはさまれて、埋もれてしまったらしい。確かにドラマ性にはやや欠ける。が、女性の目線で女性のために長きに渡って医業を貫いたという点では、決して引けをとらない素晴らしい人物だった。2017/07/15
かの子
0
職場の先輩おすすめ本。久野さんくらい勉強や仕事をがんばれと? 高橋瑞子さんと喧嘩したシーンが良かったです。あの状況で親友にはならないんだ・・・と意表を突かれました。 ご本人はちょっと地味(失礼)だけど、周囲の高橋瑞子さんに女に振られてばかりの長谷川先生に津田梅子パパを思わせるお父さんに・・・興味深いキャラが多かったです。 2020/06/18