内容説明
「公式見解」の真相を機密解除された米公文書で解き明かした、1940~50年代の米核戦略史。「人々の犠牲によってのみ行われた」核実験の目的とは。
目次
序章 本研究のねらいと本書の構成
第1章 占領下日本における米国の原爆情報収集と報道統制
第2章 一九四〇年代後半の原爆情報統制
第3章 連邦民間防衛局の発足とその原爆対策
第4章 一九五四年ビキニ核実験とその後の民間防衛計画
終章 封印されたヒロシマ・ナガサキ
著者等紹介
高橋博子[タカハシヒロコ]
広島市立大学広島平和研究所助教(アメリカ史)、1969年生まれ。富山大学非常勤講師、早稲田大学現代政治経済研究所特別研究員をへて2002年より現職。2003年9月、同志社大学文学研究科より博士号(文化史学)取得。(所属学会)日本アメリカ学会、日本アメリカ史学会、日本平和学会、日本広報学会、文化史学会、日本国際政治学会、等。(その他)広島平和記念資料館更新計画諮問委員会委員(2004年~2006年)、広島平和記念資料館資料調査研究会委員、都立第五福竜丸展示館専門委員、日本平和学会グローバルヒバクシャ分科会共同代表、ヒロシマ平和映画祭実行委員、核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)運営委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マイケル
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本書に、米国の初期の原爆対策はダイナマイト対策の域を出てなかった、すなわち、放射能の影響を過小評価したり、全く考慮していなかったと書かれています。また、原爆の放射能に対して、「日本人は人種的な特性としてケロイドが起こりやすい。(p122)」とまで言われていたそうです。劣等人種だったために必要以上にケロイドなどの被害が増えたのだと言いたいようです。とんでもない話しだと思います。そして、「クラシファイド・スタンプ(機密印)は人類が発明した最も強力な兵器である。」との話が紹介されています。2018/01/22