内容説明
本シリーズでは全体として、“原子分子の動き”に目をつけながら熱の問題を考えてきました。そこで、最終の本巻では、正面から分子そのものを話題にしています。熱というのは、「熱素」というような特別な物質の起こす現象ではなくて、“ふつうの物体を作っている分子の運動”そのものです。そこで、「物質を熱する」ということは、「その物質を作っている分子の運動を激しくする」ということなのです。
目次
第1幕 三態変化と結晶
第2幕 二態変化と四態変化―ドライアイスと液晶
おはなし 赤外線の発見物語
第3幕 爆発の科学―燃える速さはなにで決まるか
付録 科学映画「動きまわる粒」―液体と気体の分子
熱に関する発明発見とその知識の普及の年表
著者等紹介
板倉聖宣[イタクラキヨノブ]
1930年、東京の下町に生まれる。1953年、東京大学教養学部教養学科・科学史科学哲学分科を卒業。1958年、東京大学大学院数物系研究科を修了。物理学の歴史の研究によって理学博士となる。1959年、国立教育研究所に勤務(~95)。1963年、科学教育の内容と方法を革新する「仮説実験授業」を提唱。1983年、編集代表として月刊誌『たのしい授業』(仮説社)を創刊。1995年、国立教育研究所を定年退職し、「私立板倉研究室」を設立。「サイエンスシアター運動」を提唱・実施し、その後さらに研究領域を広げて活躍中。国立教育政策研究所名誉所員
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