内容説明
すねる紫の上・崇る六条御息所など、さまざまに不幸な『源氏物語』の女性たち~『ノルウェイの森』における言葉のない世界の住人・直子…。時代を超えて描き出される文学の中の「女性」を、3つのキーワードで読み解く。
目次
第1章 パートナー不在の日本文学―女性にとっての恋愛と結婚(神話、民話・昔話の中の女性;万葉集の恋 ほか)
第2章 男性作家が描く女性(美的記号としての女性;男性を社会と繋ぐ器官としての女性 ほか)
第3章 反抗か擬態か―日本の女性作家の女性記述(男社会への「おもねり」;怨念―円地文子の描く男への復讐 ほか)
第4章 闘う女性―欧米の女性記述(母の世代;娘の世代 ほか)
著者等紹介
根本萠騰子[ネモトモトコ]
1941年1月茨城県生まれ。東京大学文学部ドイツ文学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科独語独文学専攻修士課程修了。横浜国立大学教育人間科学部メディア研究講座教授。専門分野、現代文学、現代思想、メディア論
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感想・レビュー
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いろは
16
私は普段から小説を読まない。それは、小説には感情しか得られるものがないからである。しかし、この作品を読んでいると、その感情の大切さがとてもよく分かる。「もののあはれ」に浸ることがない今日この頃、小説に出てくる多彩な感情に身を委ねて、自分の感情に機敏になる感覚を、あえて大切にしなければならないと思う。この作品に出てくるのは、村上春樹、川端康成、谷崎潤一郎、与謝野晶子など、豪華な顔ぶれが描く女性を楽しめるので、特に文学好きにはオススメの作品である。毎日が平凡に過ぎていくからこそ、自分の内面世界は豊かにしたい。2018/11/06
396ay
0
暴論では?と思われる章があったり、女三宮を「愚か者」と断言してしまったりとだいじょぶか?となる感は否めないがおもしろかったし、なるほどと思う箇所も多かった。ただ結論としてはおもしろいが根拠が弱いなと感じることも多かった。以下はメモ。2020/06/14