内容説明
鈴木バドリオ政権を倒せ。日本帝国終焉の日、たった一度しか演じられない歴史劇の首相官邸という舞台で黄色い旗をはためかせ主役を演じた佐々木武雄と彼を支持した30人の男達。
目次
鈴木達治と横浜高工
鈴木達治と佐々木武雄
卒業後の佐々木武雄
軍靴の響き―私の幼少時代
日中戦争―私の中学時代
太平洋戦争―私の高工時代
学徒勤労動員
佐々木大尉との出会い
黄色い旗
決起要請の使者―八月十二日〔ほか〕
感想・レビュー
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秋津
1
昭和20年8月15日未明、首相官邸、枢密院議長邸等を襲撃した佐々木武雄大尉に従い、各地の部隊に徹底抗戦を説き決起を促す役割を担った、当時、横浜高工生学生だった筆者による、佐々木らの人間模様を綴る物語。ポツダム宣言受諾の情報を有しながらの決起要請の旅路、その過程での戦争継続への疑問、逮捕された学生と逃亡した佐々木への感情、近くにあった者ならではの佐々木の人物像について特に面白く読んだ。表題の「黄色い旗」とは将官乗用車に着ける旗のこと。これに関するエピソードは佐々木の人物をよく表わしている。2019/10/06