内容説明
その化石からは、まだかすかな歌の調べが聞える。東北の美しい自然と純朴な人々の人情の中で、戦争のさ中、個人と国家、生と死の相克と戦った青春の群像。(「月山の見える寮」)。一人の若者の恋にも容赦ない挫折が忍び寄っていた。老先生は「大自然は真っ黒けの炭をダイヤモンドにする事がある。えらいことだが、君らはダイヤモンドになれ」と教えた。外は雪降る夜であった。(「続 月山の見える寮」)。東京の小学校を追われた少年の日の悲哀をあたたかく受け止め、包み込んでくれた会津の山河と、貧しく愚直で愛すべき人々のことどもを綴る。(「会津のこと」)。
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