大国政治の悲劇―米中は必ず衝突する！ （改訂版）

ミアシャイマー，ジョン・Ｊ．【著】〈Ｍｅａｒｓｈｅｉｍｅｒ，Ｊｏｈｎ Ｊ．〉/奥山 真司【訳】

五月書房（2014/10発売）

• サイズ B6判／ページ数 562p／高さ 19cm
• 商品コード 9784772705097
• NDC分類 319
• Cコード C0031

内容説明

今、最も注目すべき国際政治学者ミアシャイマーの主著、最新改訂版（２０１４年）を邦訳。新たに書き下ろされた最終章「中国は平和的に台頭できるか？」は日本人必読！世界を動かす「攻撃的現実主義」とは！？

目次

第１章　イントロダクション
第２章　アナーキーとパワーをめぐる争い
第３章　富とパワー
第４章　ランドパワーの優位
第５章　生き残りのための戦略
第６章　大国の実際の行動
第７章　イギリスとアメリカ：オフショア・バランサー
第８章　“バランシング”対“バック・パッシング”
第９章　大国間戦争の原因
第１０章　中国は平和的に台頭できるか？

著者等紹介

ミアシャイマー，ジョン・Ｊ．［ミアシャイマー，ジョンＪ．］ ［Ｍｅａｒｓｈｅｉｍｅｒ，Ｊｏｈｎ　Ｊ．］
１９４７年生まれ。シカゴ大学教授。専門は国際関係論、特に安全保障分野。「オフェンシヴ・リアリズム」を提唱、論文、著作多数。２００３年には米軍のイラク侵攻を批難してネオコンたちと対立。２００６年、スティーブン・ウォルトと共に、アメリカの外交政策に影響をおよぼすイスラエル・ロビーの問題を論じ、それをまとめた書籍『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』が世界的ベストセラーになる（２００７年、日本版は講談社）

奥山真司［オクヤママサシ］
１９７２年生まれ、横浜市出身。カナダのブリティッシュ・コロンビア大学を卒業。英国レディング大学大学院で修士号（ＭＡ）と博士号（ＰｈＤ）を取得。戦略学博士。国際地政学研究所上席研究員、海上自衛隊幹部学校客員研究員、青山学院大学国際政治経済学部非常勤講師（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[BLACK無糖好き]

国際政治に関する明解な理論が展開されています。"国際政治の危険な世界の中で生き残ろうとする国家にはパワーを求めてお互いに競い合う以外にほとんど選択肢は残されていない"(p10)。地域覇権国は他の潜在覇権国が地域覇権を狙うのを阻止する、このような「オフェンシブ・リアリズム」(攻撃的現実主義)の理論が、過去の国家間のパワーゲームの歴史を詳細に分析しながら検証される。最終章は残念だが中国は平和的に台頭出来ないとの主張。どうなることか？文中の注釈は本書に記載無く出版社のWebにPDFデータで150ページの分量！

2015/08/29

[in medio tutissimus ibis.]

国際システムのアナーキー、各国の軍備、相互理解の不可能、第一目標としての生存、合理的な行動の五つの仮定の上に成り立つのが「攻撃的現実主義」の理論であり、これはあらゆる大国がパワーを拡大し覇権国へ至ろうとする構造を説記述し、国家の成功を処方する。パワーとは相対的なパワーであり、土地と人間を制圧する陸軍力である。海により減衰するため世界覇権国の誕生は困難である。水空軍はそれを補い、核の存在は相互に慎重さを齎す。多極システムはその関係の多さから不安定化しやすい。云々。自力救済の世界についてよい理解を齎してくれた

2018/06/01

[バルジ]

現在の米中対立や今後の日本外交を考える上で必読の1冊。国家のパワーに立脚したその論理構成は正にリアリストの面目躍如の感がある。本書では国家の攻撃的な姿勢はいわば国際秩序の構成による生存本能から要請されるものであり、決して邪悪な独裁者やイデオロギーに帰一されるものではないとする。その上で国家の対外姿勢がいかに攻撃となるのか、それらに対抗する列国の動きがどうなるのかを論ずる。本書によると最も危険な国際秩序は不安定な多極秩序だという。現在の国際秩序、特に東アジアを見るにこの不安定な多極秩序は現前としてある。

2022/01/03

[カナッパ、ユイッパ]

(★4.8)「米中は必ず衝突する」という副題からトンデモ本を創造しますが、中身は過去数百年に渡る、大国間の国際関係を分析した、至極まともな国際政治の本です。 最近の国際政治の本は、視点が偏りがちですが、本書は特定の思想やイデオロギーなどに依らず、冷静・客観的に分析しており、読んでいて安心感があります。 （感想の続きは、コメントで）

2018/07/26

[Studies]

理論知らない人にはうけるかも？ 偏りすぎ。

2017/07/10