内容説明
日本が世界に誇る劇作家・三好十郎。嘆きと悲しみ、優しさと勁さ、自立した日本の知識人の、その生涯と闘いが丈高く謳われて読む人の心を激しく打つ感動的評伝。
目次
捨てられた孤児十郎―意思と労働の少年時代
解放戦線上の一雑兵たらん―詩人からプロレタリア劇作家へ
愛妻操との死別―傑作『斬られの仙太』誕生
さらば左翼―映画シナリオライター時代
かくて名作『浮標』は生まれた―陰惨極まるイッヒドラマ
「戦争は一番凶悪な愚挙である」―日中戦争下の戯曲『をさの音』
戦力の一端に立つ―太平洋戦争末期の戯曲『おりき』
敗戦―「ただ泣いた、何も考えられず」
孤絶からの出発―戦後三部作『廃墟』『その人を知らず』『胎内』
エセインテリヘの憎悪と怒り―『ヘド的に』『殺意』〔ほか〕
著者等紹介
片島紀男[カタシマノリオ]
1940年、東京生まれ。63年慶応義塾大学法学部卒業後、NHK入局。佐賀局、福岡局時代には、九州・沖縄の近現代史の人物を描く番組などに取り組む。84年に東京転勤以後、教養番組、特集番組を担当。日本、アジアの現代史を一人の人間および群像で描くドキュメンタリー番組をつくりつづけ、“異色のこだわり派ディレクター”として知られる。現在「放送人の会」会員
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