内容説明
牧水、山頭火、放哉、井月…。文人の作品を愛山流に解釈すると、アル中のうめきが鮮かに浮かび上がる。文芸ものの新境地。
目次
第1部 愛山流アル中文芸鑑賞(どうしようもないわたし…の酒―種田山頭火;自らをののしり尽きず―尾崎放哉;骨もとけよと酒をむさぼる―若山牧水;いのちはその日その日かな―乞食井月)
第2部 措しみある才能を奪う酒(消えた駒音―アル中将棋指し物語;酒色に溺れた赤穂義士―小山田庄左衛門;ご存知酒乱男―平手造酒)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kera1019
5
アル中だからこそアル中の気持ちがわかるいうか、光を当てる角度がアル中にとって優しいというか、正にアル中講談という内容で、山頭火も尾崎放哉も小山田庄左衛門もすごく人間臭くて、酒飲みの意地汚さをも愛する講談が面白かった。「まっすぐな道でさみしい」という山頭火の句も「手袋片ッポだけ拾った」や「自らをののしり尽ぎずあふむけに寝る」という放哉の句もアル中という寂しさがにじみ出てとても良い。 2014/10/24
nakmas
1
数々のアル中ネタ、すさまじい。 俳句やら和歌やらを借りて表現しているけど、 実情を想像すると、おそろしい。 自分では気付かずに、実はアル中になっていたりもするらしい。 でもこの「先生」の語り口はすばらしい。2015/10/16
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