内容説明
神田愛山、押しも押されぬ講談界の真打。すさまじいアル中地獄をぬ出して、断酒五年。独自のアル中講談を精力的に展開。何が酒を飲ませるのか。この人はなぜやめられたのか。この人はなぜやめられないのか。その家族は。断酒会で知り合ったさまざまな人間模様を、得意の講談調で語る。高名な精神科医なだいなだ氏を寄席の舞台にひっぱりあげての軽妙な対談を巻末に附す。
目次
私、神田愛山―アル中講談「江戸のお酒の物語」
渋谷「ロンドン」弁護士先生
向島界隈古本屋の旦那
女三十、花よりお酒
亭主はアル中、わたしはわたし
楽屋雀
断酒対談 あなた、すばらしい生き証人です
あとがきにかえて
感想・レビュー
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kera1019
5
アル中とはどうしても酒を必要とする心の病気。環境の問題じゃなく自覚の問題で人間関係障害の病気というのが切実に伝わってきます。周りに問題飲酒を咎められれば咎められるほど、アル中坂を転げ落ちるように1人で酒を飲むようになってしまいドン底に突き当たって自分の生き方そのもの、問題飲酒と向き合うコトがでる。断酒を始めても1年、2年、3年と日が経つウチに心の中で様々なドラマが起きる。その心の中のドラマと向き合えるのは本人しかいない… そこに気付くまでの1日1日の積み重ねの難しさは計り知れません。 2014/11/02