内容説明
生命・物質・地球をつくり変える合成テクノロジー。人類が神の領域に迫りつつあるいま、「変成新世」における未来への選択が問われる。
目次
第1章 新次元の物質をつくる
第2章 原子の位置を動かす
第3章 DNAオンデマンド
第4章 人工生物
第5章 ポストナチュラルな生態系
第6章 種の移転と復元
第7章 都市の持つ進化の力
第8章 太陽を退かせる方法
第9章 大気のリミックス
第10章 人工人類
第11章 未来への選択
著者等紹介
プレストン,クリストファー[プレストン,クリストファー] [Preston,Christopher J.]
モンタナ大学の哲学教授、同大マンスフィールドセンターの倫理・公共問題プログラムの主任研究員。環境哲学・環境倫理に造詣が深い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まろまろ
5
人間が自然や生物を設計する時代になっていた。とんでもない規模で地球は変身していく。絶滅種を復活させ、気候を操作し、人間まで作り変えるとは。現代の常識がひっくり返るような革命だが、人類はこのようなことを繰り返すのだろうなあ。 でもあまりに衝撃の強い連続パンチを受けて脳が固まっている。2020/11/23
シャンピニオン
4
自然や環境に対し、もはや受身ではいられない、能動的にマネージしないといけない状況になっているということを、認識し、責任ある開発、行動をしないといけない。正に、エマ マリスを読んだ時に感じたことを、より広く、まとめてくれている。 しかし全人類のコンセンサスをとるすべもなく、かつとれる見込みもない。 流される川の中で力を合わせてきたものでさえ、流れのない大海に出て自由に進めと言われても、意見はまとまらず、一方でその責任に押し潰されそう。“人類は「神の責任」を担えるか”2023/11/12
nosuke
4
人類が神の領域へと参入する「合成の時代」。ゲノム編集技術など、合成テクノロジーによる自然への極端な介入には倫理的な抵抗がある。しかし、環境問題が騒がれている地球にはそもそも「手つかずの自然」はどこにもないのでは?という問いかけもあり、自然を「守る」ではなく「管理する」というエコモダンな環境思想が育まれている。生命・物質・地球の未来を懸けた改変技術に関して、市民全体で判断・選択するべきだし、そのためにも精通する努力もすべきだと感じた。私はエネルギー事業に携わるものとして「気候工学」には特に注目したい。2021/01/01
Akiro OUED
4
重い哲学書。世界を作り変える技術を手にしたヒトが、それを行使するかどうかについて、民主的な熟議を要請する著者。しかし、富の一極集中を招く社会システムを肯定する愚民の拡大再生産が、政治目的化している。さて、バタフライ効果が、やりたい放題の合成テクノロジーの前に立ちはだかるのだ。2020/08/22
sym83210
4
人類と地球の関係を、テクノロジーを通して考えることができた。様々なテクノロジーを一連の中で理解でき、倫理的な観点からも見ることができ頭が整理された。人類の役割を考えさせられ、非常に楽しく読むことができた。2020/08/19
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