内容説明
哺乳類の起源と進化を解き明かす。母乳・セックス・子育て・体毛と内温性・歯と骨・感覚・知能。哺乳類はどこから来て、どのようにわれわれの姿になったのか?進化の謎を解く最新研究を満載した決定版・哺乳類入門!
目次
はじめに 哺乳類らしさってなに?
なぜ精巣は体外に出たのか
カモノハシに学ぶ
性を決める新たな発明
風変わりな生殖器
受胎と発生―細胞進化のイノベーション
胎内で対立する父母の遺伝子
ミルキーウェイ
夫婦が先か、子育てが先か
歯と骨と恐竜
高速で燃える生命
夜につちかわれた感覚
悩ましきは多層の脳
絡みあいループする進化
著者等紹介
ドリュー,リアム[ドリュー,リアム] [Drew,Liam]
サイエンスライター。神経生物学博士。ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジとコロンビア大学で、12年間、哺乳類の脳の研究などに従事。科学者やライターなどの国際ネットワーク「NeuWrite」ロンドン支部の部長も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
69
哺乳類とは乳房をもつ動物である。1758年リンネにより分類され、ホモ・サピエンスは5416種の1種。7万年前には1万人しかいなかった。どのようにヒトの器官が進化したのか?進化発生生物学は遺伝子分析と古生物学の進歩と共に発展する。例えばオス・メスを決めるXY染色体は哺乳類だけのもので、その発現にSRY遺伝子が関与し、Y染色体は1億6600万年頃に誕生したが、カモノハシは全く違う機序で未解明のまま、など。哺乳類への見方がこれら新知見により確実に変わる。われわれの体の部位や働きは相互に関与しながら進化してきた。2019/07/30
びっぐすとん
18
図書館本。出だしは順調だった。素人にも興味を持たせる語り口。うちも長男は未熟児だったので著者に共感。「なぜ多くの哺乳類のオスは生殖に大事な部分を無防備にも体外に出しているのか」という感じだったのだが、段々話は専門的で難しくなり読むスピードも急速に低下。哺乳類のメスとして他の哺乳類の母乳に関する部分は興味深かったし、哺乳類のオスは育児に参加しないという部分は怒りが💢育児しないオスに殺意を抱くのはヒトのメスだけかもしれないが。内容が広範囲で理解が追い付かなかったので繁殖に限ってくれればわかりやすかったかな。2019/11/18
はまななゆみ
9
母乳や知能について「なぜ?」今のような形態になったのかを深掘りしていて面白い。当たり前に思えるからだの仕組みは、考えると本当にすごい。2019/11/15
M1号
5
哺乳類とはなんぞや、ほかと何がどうして違うのか、をかなりアカデミックに解き明かす本。内容の濃さゆえにかなり時間がかかったけど、初めて知る事実ばかりで面白かった。生殖に関する情報は、どんな生き物相手でも解明が難しそう。ちょうどいい時期にうまいこと観察してデータがとれるかっていう…。■ちょいちょい著者の個人的なエピソードが挟まれるのも楽しい。こんな生物学偏愛パパが家にいたら楽しいだろなー。2021/10/03
5〇5
5
乳腺、体毛など哺乳類を哺乳類たらしめるさまざまな特徴は、単独で形づくられたものではないことがよく理解できました。その一方で、現代はヒトを頂点とした哺乳類の世界である、は高慢な考え方であることも。地球上のすべての生物が最も適した特性を持ち、優劣関係なく、そのすべてが”ワンチーム”としての存在なのだ、との思いを強くしました。2019/11/23