内容説明
司馬遼太郎『坂の上の雲』は間違いだらけである。それを無批判にNHKが全国放送する。司馬いわく「日清戦争に日本は受け身だった」「日露戦争は、祖国防衛戦争であった」。このゆがんだ歴史認識に逐次的批判を加え、明治日本を美化した司馬の詐術を明らかにする。
目次
第1章 司馬が歪曲・偽造した日清戦争・北清事変(日本は清国との開戦に「受け身」であったか?;「日清戦争は清国や朝鮮を領有しようとしておこしたものではなかった」というのは本当か? ほか)
第2章 司馬は日露戦争を聖戦にした(日露戦争は「祖国防衛戦争」であったというのは、本当か?;朝鮮植民地化を黙殺する司馬 ほか)
第3章 司馬は、明治期日本を賛美するためにどのようなレトリックを用いたか(誇大妄想的な域にまで達している賛美;巧妙かつ詐欺的手法 ほか)
第4章 『坂の上の雲』によってつくられる新たなナショナルアイデンティティー(なぜ司馬は明治期日本を賛美するのか;従来の右派言説の弱点 ほか)
著者等紹介
高井弘之[タカイヒロユキ]
1955年生まれ。えひめ教科書裁判を支える会スタッフ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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チリドック
2
死んだ人間の本を揚げ足とりまくっているような本ですが、日本人の多くが司馬遼太郎の書いた人物の描写を真に受けて美化しまくって語り継いでいるのはある意味危険だと思ったこともあり見方の一つとして楽しく読めましたw ただ、調子に乗りすぎて歴史認識で都合の悪いところをカットしてるのはがっかり^^;
ぐだぐだ
1
明治時代の人間はとにかくエライ!と、いう感想を坂の上の雲を読んで思ってたんです。それって必ずしも違うんですねー。にしても、司馬さんのコト嫌いなの?ってくらい執拗に批判されてます。2015/12/27