内容説明
ルーマニア、ブカレストのストリートで暮らす少女サンダーレ。晴れの日は駅前の公園を、雨の日はマンホールを“家”にして、物ごい、スリ、ゴミ箱あさり、ドラッグ…の毎日。けれども、サンダーレにはたったひとつだけ夢がありました。それは、自分を“捨てた”お母さんともう一度いっしょに暮らすこと。夏のある日、サンダーレは青年のリュックサックをぬすみます。しかし、かれはサンダーレのもうひとつの家、「ラザロ」の新人ボランティアでした―。母親との再会の夢を胸に社会の底辺を生きる少女と、そんな彼女に同情する青年は、反発し合い、傷つけ合いながらも徐々にこころを通わせていきます。
著者等紹介
フィリップス,カロリン[フィリップス,カロリン][Phillipps,Carolin]
1954年、ドイツ、メッペン生まれの児童文学作家。1989年、処女作“おじいちゃんと第四帝国”が数か国語に訳された。2000年、“ミルクコーヒーと粉砂糖ケーキ”で「寛容と平和のためのユネスコ賞」を受賞、児童文学作家としての地位を確固たるものにした。政治、人権、抑圧、差別、平和などをテーマにした児童・ヤングアダルト向けの作品を書きつづける、世界的作家のひとり
たかおまゆみ[タカオマユミ]
ドイツ語翻訳・通訳者。児童・YA書、女性書の翻訳のほか、公文書、消費者・環境・食品安全・ジェンダー分野の実務翻訳もおこなう。内閣府男女共同参画会議・前専門委員、やまねこ翻訳クラブ会員。教育学修士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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