内容説明
南ドイツ・ライン川のほとり、ブドウ畑がひろがる丘のふもとの小学校は、ちょっとかわっています。たとえば、この小学校にはゴミ箱がたった一つしかないのです。この学校の子どもたちはこれまでに四万五千本以上の木を町の回りにうえたり、放課後にはミツバチをそだてたり、観光ガイドをしたり、ジャガイモづくりをしています。また、みみずが大活躍をしている学校なのです。でも、この学校でいちばんわかっているのは、ひょっとしたら校長先生かもしれません。ヨーロッパ環境賞、パンダ賞などに輝くすてきな環境教育を紹介。
目次
第1部 みみずのカーロ(ブドウ畑がゴミすて場に?;ゴミをリサイクル;ちょっとかわった宿題 ほか)
第2部 四万五千本の木をうえる(シェーファーさん先生になる;耕地整理;段々畑に花をうえる ほか)
第3部 ぼくらのユーレ(あたらしい問題;「ユーレ」誕生;ジャガイモをつくる ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
19
メルディンガー小学校の環境教育への取り組み。ミミズ(カーロと名づける)を使って、子どもたちの目に見える自然を考える。ドイツのライン川のほとり、ぶどう畑が広がる丘のふもとにある学校。そのぶどう畑がゴミ処理場になるという話から、校長先生が子どもたちに考えさせたもの。ミミズは土中の生ごみや落ち葉を食べて、土を元気にしてくれますが、食べないゴミがあることに気づきます。町も一緒にカーロが食べないものは使わない姿勢になりゴミは減っていきます。小川の里親制度・木を植える運動・ベニエの屋根など活動が活発です。2018/12/14
つき
12
ミミズのお話かと思いきや、環境教育に力を入れているドイツの小学校についてでした。 「これではいけない」と感じて、授業で実践していくシェーファー先生に感服します。 この実践教育が半世紀たったいま、どのように受け継がれているのか知りたいと思いました。2017/07/22
はるる
8
みみずのカーロが食べないものは、環境にやさしくない。子供たちが身近なゴミを見直すところから始まった活動が、家庭や地域を巻き込んで、大きなうねりとなり、地域全体が環境を守る取り組みをするようになる。シェーファー先生が30年かけてやったことを日本でもまねできないかと考えるに、日本の公立小中学校は先生の移動が多くて、いくら素晴らしい先生でも長く取り組み続けることができないのが残念。何かを変えるには子供たちから。子供が変われば、次世代は必ず良くなるし、キラキラしている子供を見ると、大人も変わっていく。2022/09/01
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
7
教育出版国語 5年生 【平成27年度教科書掲載本 令和2年度教科書掲載本】 【第42回児童福祉文化奨励賞】2015/06/19
奏
4
ドイツのメルディンガー小学校では、一年生がミミズを飼うことで、土に還るゴミ、還らないゴミの違いを学ぶ。子どもたちは土に還らないものは使わないようになり、大人も巻き込んで買わないようになっていく。身近なところからやがては自分たちの住む村全体の自然を変えていく取り組みに広がっていき、驚くことばかり。1999年発売の本書。今のこの小学校や村の様子を知りたい。2022/11/21