内容説明
本書は、認知行動療法の教育とスーパービジョンについて解説したものである。認知行動療法は「誤解」されている部分がたくさんある。マニュアルに沿って進めていけばよい、悩みを抱えている人のクセを変えるように指導すればよい、「思考記録表」への書き込み方を教えればよい、など枚挙にいとまがない。認知行動療法も精神療法であり、それを使うためには、きちんとした教育を受ける必要がある。治療はマニュアル通りに進むはずがない。安心できる人間的関わりのなかで悩みを抱えた人を理解し、その人の生き方に目を向けて、その人らしく生きるのを手助けするという精神療法の基本が不可欠である。本書では、米国を中心とした海外の認知行動療法の研修の実際と、臨床家のコンピテンシーの向上とその評価に向けた工夫について具体的に解説している。
目次
第1章 CBTのトレーニングとスーパービジョン概説
第2章 CBTトレーニングにおけるコア・コンピテンシー
第3章 実証された教育手法
第4章 CBTのコンピテンスの尺度
第5章 CBTトレーニングにおけるフィードバック
第6章 個別の疾患に対するCBTを教える
第7章 CBTのトレーニングとスーパービジョンにおけるテクノロジー
第8章 大学院でのトレーニング
第9章 精神科のレジデンシー・トレーニングにおけるCBT
第10章 臨床に携わっているセラピストの継続教育
第11章 従来とは異なるケア提供者へのトレーニングとスーパービジョン
第12章 エビデンスに基づくCBTのスーパービジョン手法
第13章 CBTのスーパーバイザーに対するトレーニング
第14章 CBTのトレーニングとスーパービジョンにおける自己管理
著者等紹介
スダック,ドナ M.[スダック,ドナM.] [Sudak,Donna M.]
ドレクセル大学医学部精神医学科の教授であり、上級准トレーニング責任者であり、精神療法トレーニング責任者。臨床家と教育者を兼ね、国内外で教育と患者ケアの豊富な経験をもち、数々の教育賞を受けている。CBT教育の文献に数々の大きな貢献を果たしてきたほか、レジデントにCBTのコンピテンシーを獲得させるための推奨カリキュラムとガイドラインの策定に重要な役割を担った。薬物療法とCBTの併用に関する出版物も数多く著している。ドレクセル大学医学部で教えるかたわら、ベック認知行動療法研究所の非常勤教員も務める
コッド3,R.トレント[コッド3,R.トレント] [Codd 3,R.Trent]
教育スペシャリスト。グループで複数分野の施術を行う、ノースカロライナ州アッシュヴィルのCognitive‐Behavioral Therapy Center of WNC,P.A.所長兼創立者。このセンターで臨床サービスを提供しているほか、地域および全米で臨床コンサルテーションとトレーニングも行っている。毎年、CBTの集中トレーニング・プログラムの共同責任者を務め、レノア・リン大学の臨床教員にも名を連ねる。さらに、公認カウンセラーであると同時に、ACTのフェロー、認定トレーナー/コンサルタント、資格認定委員でもある
ラドゲイト,ジョン[ラドゲイト,ジョン] [Ludgate,John]
30年近く精神療法家として働いてきたライセンスをもつ心理士。現在、Cognitive‐Behavioral Therapy Center of Western North Carolinaで働く。精力的に臨床実践を行っているほか、地域および全米でCBTのトレーニングとスーパービジョンも広く手がける。ペンシルヴェニア大学から認知療法のポストドクトラル・フェローシップを取得して、フィラデルフィアの認知療法センターでトレーニングを受けた。その後、このセンターで副トレーニング責任者となる。ACTの創設フェローで資格認定委員も務める
スコドル,レスリー[スコドル,レスリー] [Sokol,Leslie]
Licenced Psychologistであり、CBTのエキスパートであり、国際的に知られた講演者であり、『Think Confident,Be Confident』(2009)の共著者でもある。ACTの著名な創立フェローで元理事長であるとともに、資格認定委員会の委員長でもある。ベック研究所では約15年にわたって教育責任者を務めた。フィラデルフィアの郊外で個人開業している
フォックス,マーシーG.[フォックス,マーシーG.] [Fox,Marci G.]
Licenced Psychologistで、個人開業して約20年になる。それとほぼ同じ期間にわたり、フィラデルフィアのベック研究所でDr.Sokol、Dr.Judith Beck、Dr.Aaron T.Beckとともに働いてきた。ACTの認定トレーナー/コンサルタントそしてベック研究所の元非常勤教員として、国内外で個人に認知療法を教えつつ、精神保健の専門職者向けに、臨床スキルの向上と、改善すべき具体的領域の特定を手助けしている。ACTの創立フェローの地位をもち、ACTの試験委員会と資格認定員会の招待委員でもあつ。認知療法だけでなく、自信と自尊心についても長年、講演してきた
ライザー,ロバート[ライザー,ロバート] [Reiser,Robert]
Licenced Psychologistで、 ACTのフェロー。スーパービジョンのコンピテンスを査定する道具(SAGE)の開発を含む一連の研究プロジェクトを、2006年からDerek Milneとともに実施。専門誌の論文を執筆および共同執筆し『International Handbook of Clinical Supervision』などの書籍に、エビデンスに基づいた臨床スーパービジョンの手法に関する章をDerek Milneとともに寄稿してきた
ミルン,ディレック・L[ミルン,ディレックL] [Milne,Derek・L]
Clinical Psychologist英国心理学会のフェロー。スーパーバイザー、スーパーバイザーのトレーナー。スーパービジョン研究者として長い経験をもつ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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