内容説明
精神医学史はいまだ謎と亀裂に満ちているが、その架橋・統合の手がかりも伏在している。エミール・クレペリンがその疾病論に託した精神医学の原理と使命を発掘し、アンリ・エーの器質・力動論の背後に一貫する人間学を特定し、アントニオ・ダマシオの神経生物学を日本的風土論・四肢構造論の基盤として解読する。統合人間学・統合犯罪学・精神科統合療法を考想し、精神医学史の謎に挑む著者の第三論集。
目次
第1章 明日への希望
第2章 「総合犯罪学」と「統合犯罪学」(統合理論・統合人間学)の展開
第3章 日本犯罪学会の将来的展望―総合犯罪学と統合犯罪学、国際的連携
第4章 人間学を求めて―精神医学と犯罪学の狭間で
第5章 病的酩酊下での「登攀症」について
第6章 虐待と非行、子殺しについて
第7章 Antonio Damasioを読む―日本人の自然、四肢構造論的和辻風土学、Eyの器質・力動論
第8章 Emil Kraepelinの疾病論と現代精神医学
第9章 Emil Kraepelin疾病論におけるスペクトラム論とカテゴリー論/ハイブリッド構造
第10章 Henri Eyの「器質・力動論」成立史への一寄与―現在と将来的展望
第11章 Henri EyとNicola¨i Hartmann
解題 後書きに代えて
著者等紹介
影山任佐[カゲヤマジンスケ]
2011年の国際犯罪学会以降、「総合犯罪学」(Comprehensive Criminology)と「統合犯罪学」(Integrative Criminology“Integrated Criminology”)を提唱している。医師・医学博士。昭和23年福島県郡山市にて出生。昭和47年東京医科歯科大学医学部卒業・医師免許取得。同大学精神神経科・研修医を経て、同大学・難治疾患研究所犯罪精神医学部門助手。昭和53~54年文部省在外研究員(パリ大学犯罪学研究所、サン・タンヌ病院)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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