内容説明
本書は、行動分析学という共通の枠組みの中で、理論、基礎、言語臨床への応用までを論じており、関連する学問領域の研究成果も検討し、それらを分析した上で、行動分析学の観点からの展望やデータを提示している。さらに臨床支援の具体的な技法や実践例(発達臨床における言語の早期療育、学校教育の中での言語指導、問題行動解決のための言語支援技法、脳機能障害のある人への言語療法における支援技法など)を示すことで、言語聴覚士、臨床心理士、公認心理師だけでなく、教育現場や福祉施設などのヒューマンサービスの現場にいるあらゆる人に役立つ一冊となっている。
目次
第1部 行動分析学からみた言語(言語への行動分析学的アプローチ;言語の生物学的背景―チンパンジーにおける言語行動の合成実験)
第2部 言語の機能的分析(言語の獲得と拡張―条件性弁別と刺激等価性;ひらがなの獲得―音節の分解・抽出;コミュニケーション機能の獲得1―要求言語行動(マンド)
コミュニケーション機能の獲得2―報告言語行動(タクト)
言語の行動調整機能―「ふるまい」に影響を及ぼす「ことば」の獲得
言語機能の高次化―ルール支配行動とオートクリティック
認知発達と言語行動―「心の理論」研究から)
第3部 言語の指導・支援・援護(療育、教育、医療、福祉の中へ)(障害と言語行動―徹底的行動主義と福祉;発達障害幼児の言語指導―言語の理解、命名の獲得に向けて;学校教育の中での言語指導―ことばをのばす教育環境づくり;問題行動と言語―機能的コミュニケーション訓練;言語療法における支援技法―記憶障害者に対する日常生活行動へのアプローチ)