内容説明
本書は、NPO法人メンタルケア協議会で自殺防止事業に取り組み、また精神科医として50年以上患者と向き合ってきた著者による「自殺防止活動のための手引き書」である。第1部では、「自殺企図直前の状態に陥っていることを示すサイン」(BPSAS)の具体例を示しつつ、BPSASに陥っている人に見られる特徴、またそこに至る三つのプロセス―「悪循環・発展」「精神状態の揺らぎ」「精神病性の症状」―について解説し、自殺企図に至るプロセスの全体像を概観していく。第2部では、誰もが強力な“ゲートキーパー”(自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応を図ることができる人)になるためにどのように行動すれば良いかを、「対応の工夫」「自殺リスクアセスメント」「ゲートキーパーとしての動き方、支援機関の利用の仕方」の三つのテーマに分けて提案する。年間約300人もの自殺未遂者・自殺ハイリスク者の支援事業に携わってきた著者の豊富な知見を1冊にまとめたこの「手引き書」は、“ゲートキーパー”として自殺防止に取り組むすべての人のバイブルである。
目次
第1部 自殺企図に至るプロセスについて(自殺企図直前に見られる特徴(BPSAS)
BPSASに至る三つのプロセス)
第2部 ゲートキーパーについて(ゲートキーパーになる;短い補章;「顕著な個性や傾向」について)
著者等紹介
羽藤邦利[ハトウクニトシ]
昭和42年京都大学医学部卒業、東京大学医学部付属病院精神神経科で研修したあと、昭和44年から都立松沢病院勤務、昭和57年から八王子医療刑務所医官として勤務。昭和62年に三枝秀人医師と共同で代々木の森診療所を開設し、平成24年に院長を大下隆司先生へ引き継いだ。その後現在に至るまで同診療所で診療を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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