内容説明
ボンディング(bonding)とは、「母親のわが子に対する情緒的な絆」のことであり、「ボンディング障害」は、不適切な養育のリスクとなり得る臨床的問題を抱えた、精神疾患を超えて広く妊産婦と子どもの育ちに関わる重要な概念である。今回本邦初の出版となる、「日本語版スタッフォード面接」は、妊婦と胎児の、そして産後の母親と赤ちゃんのさまざまな問題に特化した効果的な臨床評価面接である。この面接結果に基づいた妊産婦へのケアは、母子とその家族のメンタルヘルスにより有効に働き、長期的な子どものウェルビーイングの向上につながる。本書では、この面接を用いた事例を取り上げ詳細に解説しており、この面接法の理解に役立つ。また、その他の事例も通して、ボンディング障害を含めた周産期精神医学を包括的に学習できる。精神科医、産婦人科医、小児科医、助産師、看護師、保健師、公認心理師、臨床心理士、社会福祉士など幅広い専門家にとって、周産期メンタルヘルスの全貌を理解するための有効な知見を与えるものである。
目次
第1章 ボンディング障害の理解のために
第2章 スタッフォード面接の紹介と周産期メンタルヘルスにおける重要性
第3章 日本語版スタッフォード面接
第4章 スタッフォード面接を用いた母子関係障害の評価
第5章 ボンディングとアタッチメント
第6章 総括・展望
著者等紹介
吉田敬子[ヨシダケイコ]
1979年九州大学医学部卒業同小児科入局。2017年九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野臨床教授(兼任、現)
錦井友美[ニシキイユミ]
1997年長崎大学医学部卒業同小児科入局。2017年九州大学病院子どものこころの診療部研修登録医(兼任、現)
末次美子[スエツグヨシコ]
2000年千葉大学看護学部看護学科卒業。2021年九州大学大学院医学研究院保健学部門講師
山下洋[ヤマシタヒロシ]
1985年九州大学医学部卒業同精神科入局。2017年同上特任准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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