内容説明
精神分析におけるトラウマ理論・治療の歴史を概観し、ストレス障害という語の実態に迫り、また患者との出会いの場面で不可欠となる、その人がトラウマを経験している可能性を考慮したアセスメントについて学ぶ。実際の精神分析的治療については、9編から成る豊富な実践例や応用編を通して、幼少期の虐待や喪失体験、複雑性PTSDや解離の症状といった多様な病態に存分に触れることができる。第一線で分析的治療を実践し続ける臨床家たちによるトラウマ臨床の手引きとなる一冊である。
目次
第1部 総説(私説:トラウマの、トラウマによる、トラウマのための精神分析;トラウマのメタ心理学―「外傷化したこころ」のβ要素とα機能に焦点を当てて)
第2部 アセスメント(トラウムのアセスメント―トラウマを個人の体験から理解すること;被害者が患者になるということ―欲動論から考える)
第3部 精神分析的心理療法の実際(心理療法の実践;心理療法中断例から学ぶ)
第4部 トラウマのマネジメント(トラウマの精神分析的治療におけるマネジメント)
第5部 精神分析の応用(災害支援と精神分析的アプローチ―困難な地にこころを差しだし続けること)
著者等紹介
松木邦裕[マツキクニヒロ]
1950年佐賀市生まれ。熊本大学医学部卒。2009年~2016年京都大学大学院教育学研究科教授。精神分析個人開業。日本精神分析協会正会員。京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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