内容説明
「愛着障害」という言葉が、その子どもに適切な環境を与えるためにあるのではなく、その子どもにかかわることに対して防衛的に使われたり、「手がかかる」子どもというレッテルを強化するために使われるようなことがあれば、それは最も避けたいことである。本書では、知的障害特別支援学校の現場で増えつつある愛着の問題を抱える子どもたちと、その子どもたちへの対応に苦慮する教師への介入を試みた著者が、精神分析的な理論や著者自らが作り上げた愛着障害児対応教育モデル(EMADIS)仮説を用いて当事者関係の悪循環を断ち切る方途を探る。具体的な事例を通して描き出される子どもたちと教師たちが変化していくプロセスは、集団力動が働くあらゆる場面においても共通するものとして、臨床心理学的な介入を行う上で大いに参考になるであろう。
目次
第1章 巻き込む子どもと巻き込まれる教師
第2章 巻き込みの場と育ちの場
第3章 教師たちの見た世界:孤立無援状態から自信を取り戻すまで
第4章 情動の発達:安全と冒険
第5章 怒りの力
第6章 教師たちの葛藤と成長の軌跡
第7章 改めてナオミさんの変化は何だったのか
第8章 その後の話:みなさんに伝えたい書き残していること
著者等紹介
大橋良枝[オオハシヨシエ]
聖学院大学心理福祉学部教授。公認心理師/臨床心理士。2009年国際基督教大学博士後期課程修了。精神分析的心理療法(個人/集団)を専門とするサイコセラピストとして教育相談や開業臨床施設、知的障害特別支援学校での臨床実践を継続する傍ら、成蹊大学や明治学院大学などでの非常勤講師(臨床心理学)、聖学院大学人間福祉学部特任講師の経歴を経て、2018年4月聖学院大学心理福祉学部教授に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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