内容説明
クライエントが抱える苦悩、重圧、葛藤は、言葉にされるなかで可能性へと変転する。会話を交わすことで息吹く静かな力を求めてリスクをとるセラピストもまた冒険者である。対話学、現象学、社会構成主義など広く知の遺産を踏まえ、家族療法に一大転機をもたらした稀代の治療家ハリー・グーリシャンとその愛弟子ハーレーン・アンダーソン。会話に集う者たちが協働する治療的会話を目の当たりにする本書は、グレゴリー・ベイトソンを出自として生まれたオープンダイアローグの礎でもある。本書の再読・精読はセラピーという行為の本質的理解と実践をより確かなものにするだろう。言語と会話の新たな希望に満ちたモダンクラシックスの新装復刊!
目次
第1章 対話の空間を広げる―理論と実践を行き来して
第2章 対話のパートナー
第3章 はなしの舞台
第4章 言葉と意味を創り出すシステムとしてのセラピー
第5章 一哲学的スタンス―セラピストの位置、専門性と責任
第6章 対話としてのセラピー
第7章 クライエントたちの声―コラボレイティヴな関係構築にむけて
第8章 意味の中に意味をさがして
著者等紹介
アンダーソン,ハーレーン[アンダーソン,ハーレーン] [Anderson,Harlene]
1942年生まれ。Houston‐Galveston InstituteおよびTaos Instituteを共同設立。ポストモダン・ファミリーセラピーの第一人者の一人。コラボレイティヴ・アプローチで現在国際的に活躍中
野村直樹[ノムラナオキ]
名古屋市立大学大学院人間文化研究科特任教授。スタンフォード大学博士課程卒業、文化人類学、Ph.D.
青木義子[アオキヨシコ]
こころの相談室・コラソン室長、ノースウェスタン大学大学院卒業、M.A.、臨床心理士
吉川悟[ヨシカワサトル]
龍谷大学文学部臨床心理学科教授。システムズアプローチ研究所顧問。和光大学人文学部卒業。臨床心理士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。