出版社内容情報
知/権力の体制と関係の政治学において,ないがしろにされてきた人々の経験,話す機会がなかった事実,言及できなかった過去を言葉にする空間をクライアントとともに創り出す。文化人類学,社会学の知見を取り込み,社会的差異と歴史性の省察を旨とするその独創的セラピーは,オーストラリアから世界中に広がり,セラピーの慣習的概念を変容させ,精神病の理解を作り直し,悲嘆への新しい対処法を提供し,精神医学知識のヘゲモニーに挑戦し続けている。創始者マイケル・ホワイトが遺した数多のテクスト/インタビューより厳選,「ナラティヴ・セラピー」の思想=実践の核となる珠玉の8篇。
マイケル・ホワイト[マイケルホワイト]
著・文・その他
小森 康永[コモリヤスナガ]
翻訳
内容説明
「生きられた経験」を救出する。日常性の政治学的考察と深い共感の稀有な融合。「ナラティヴ・セラピー」の思想=実践の核となる珠玉の8篇。
目次
第1章 脱構築とセラピー
第2章 精神病的経験と言説―ケン・スチュワートによるインタビュー
第3章 もう一度こんにちわと言う 悲嘆の解決における失われた関係の取り込み
第4章 リ・メンバリング
第5章 子ども、トラウマ、そして従属的ストーリーライン展開
第6章 ナラティヴ・プラクティスとアイデンティテイ結論の解明
第7章 コラボレーションを育む 親と子のあいだ、児童保護機関と家族のあいだ―デイヴィッド・デンボロウによるインタビュー
第8章 倫理と表層スピリチュアリティ―マイケル・ホイトとジーン・コムによるインタビュー
著者等紹介
ホワイト,マイケル[ホワイト,マイケル] [White,Michael]
1948年12月29日、南オーストラリア州アデレードで、同胞4人第二子長男として生まれた。労働者階級の多い地域の労働者階級の家庭で育つ。1971年アデレード大学を卒業し、ヒルクレスト精神科病院で精神科ソーシャルワーカー、1976年からはアデレード子ども病院で医療ソーシャルワーカーとして働いたのち、1983年にパートナーのシェリル・ホワイトとダルウィッチセンターを創設。前年にニュージーランドのオークランドで活動するデイビッド・エプストンと出会い、長距離電話での相互コンサルテーションを開始、1990年“Narrative Means to Therapeutic Ends”(邦題『物語としての家族』1992/2017)を刊行。以後、ナラティヴ・セラピーの第一人者として活躍。「外在化」「リ・メンバリング」「潜在」「足場作り会話」など、セラピーに文化人類学、社会学の知見を取り込んだ独創的手法を開発した。2008年4月4日、ワークショップ開催中のサンディエゴで客死
小森康永[コモリヤスナガ]
1960年岐阜県生まれ。1985年岐阜大学医学部卒業。同大学小児科入局。1995年名古屋大学医学部精神神経科入局。愛知県がんセンター中央病院精神腫瘍科部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。