内容説明
「フォーカシング」は、治療的変化をサポートする独特の傾注プロセスである。現役の治療者が即、応用できるよう、実用的な戦略、臨床例、面接場面を満載した構成で、様式を問わず、臨床実践にフォーカシングを導入するアプローチを丁寧に解説する。フォーカシング・プロセスが、面接室において瞬間瞬間に展開していくさまを見事に例証し、クライアントの成長と変化をサポートするための、そのパワフルな力を明らかにする。
目次
ある瞬間への扉
変化の本質
場の設定―クライアントのセッションにフォーカシングを使う準備
フェルトセンスを認識し、育む
クライアントのフェルトセンス形成を援助する
クライアントの強い自己を育成する―フェルトセンスのための本質的環境
さらに深く―フェルトセンスを促進する
より難しいタイプのクライアントとの取りくみ
トラウマ、嗜癖、抑うつへのフォーカシング
フォーカシングと他の治療様式の混合
セラピストのためのフォーカシング
著者等紹介
コーネル,アン・ワイザー[コーネル,アンワイザー] [Cornell,Ann Weiser]
イリノイ州シカゴ出身。1975年シカゴ大学より言語学で博士号取得。1975~77年、パーデュー大学で言語学教員。1972年大学院生の頃、フォーカシングに出会う。1980年~シカゴでフォーカシング創始者ユージン・ジェンドリンと協働してワークショップを教えはじめ、その後、カリフォルニアに移って、1984年頃から独立して活動を始める。特にフォーカシングのリスニング・ガイディングのマニュアルや教え方を開発。1984年~隔月でニュースレター『フォーカシング・コネクション』を発行、1985年にFocusing Resourcesを創設、フォーカシングのセッション、ワークショップ、トレーニング、オーディオ資料作成、出版を組織的に行う
大澤美枝子[オオサワミエコ]
1970年米国カンザス大学大学院教育学部カウンセリング心理学修士課程修了。臨床心理士、フォーカシング・インスティチュート認定コーディネーター。立教大学ミッチェル館カウンセラー、成城大学カウンセラーを経て、現在、フォーカシング・プロジェクト代表。1994年以来、アン・ワイザー・コーネル等外国人講師のワークショップを企画・実施
木田満里代[キダマリヨ]
1982年お茶の水女子大学大学院人文科学研究科英文学専攻修士課程修了。会議通訳・法廷通訳。(株)キダアソシエイツ代表。1994年以来、アン・ワイザー・コーネル、エルフィ・ヒンターコフ、マリーン・ド・フレミンヴィル等、フォーカシング・ワークショップの通訳を務める。フォーカシング国際会議(カナダ、オランダ、日本)、A Process Model Colloquium(イギリス)、PCE 2008(イギリス)等での通訳・翻訳を通じ、フォーカシングやジェンドリン哲学に親しむ
久羽康[クバヤスシ]
2000年上智大学大学院文学研究科心理学専攻博士前期課程修了。精神科クリニックなどを経て、現在、成城大学学生相談室を中心に勤務。臨床心理士、フォーカシング・インスティチュート認定トレーナー。ワークショップや研究会で日笠摩子・近田輝行両先生に学びながら、ジェンドリンの思想を軸としたセラピー・プロセスの理解を模索
日笠摩子[ヒカサマコ]
1985年東京大学大学院教育学研究科博士課程満期退学。二松学舎大学専任講師兼学生相談室カウンセラーを経て、大正大学人間学部臨床心理学科教授。臨床心理士、フォーカシング・インスティチュート認定コーディネーター。1993年、故村瀬孝雄先生から学んで以来、フォーカシングの実践・教育・臨床への適応に深く関与(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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