出版社内容情報
集団精神療法の理論的基礎と,引きこもりから精神疾患,ハイパフォーマーへの臨床実践に基づいた適応の実際を詳説する。
人の絆を最大の治療要因とする集団精神療法は,医療,教育にとどまらず,組織力,ハイパフォーマーの実力向上に至るまで,その効用を活用する領域が多様にある創造的処方である。
本書では,精神分析に由来する集団精神療法の理論的基礎と,引きこもり,いじめ,発達障害からパーソナリティ障害,ハイパフォーマーへの臨床実践に基づいた適応の実際を詳説する。
第?T部「基礎理論」で集団精神療法の成り立ちから,社会情勢の変遷にともなう技法の発展と,日本人固有の人格構造論,個人精神療法と集団精神療法の交差点について述べ,自我同一性の確立と自己の成熟を追求する第?U部の「アイデンティティ・グループ」では,青年期のみならず,プロスポーツ選手やトップリーダーへのアプローチが示される。
第?V部では,個人精神療法と集団精神療法を組み合わせたコンバインド・セラピィ,治療への導入と動機を促進するためのプレセラピィなどの各種技法が解説され,最終章の第?W章では,統合失調症や境界性パーソナリティ障害をもったクライエントとの仔細な逐語録による介入の実際が示され,筆者が東日本大震災の発災以来取り組んできたPTSDへの集団精神療法によるアプローチが紹介される。
「誰もが元気になる集団精神療法」を標榜する著者の姿勢から,理論だけでは学べない体験して面白い活力に満ちた集団精神療法に触れることができるであろう。
緒 言
第?T部 基礎理論
序 章
内容説明
本書では、精神分析に由来する集団精神療法の理論的基礎と、引きこもり、いじめ、発達障害からパーソナリティ障害、ハイパフォーマーへの臨床実践に基づいた技法の実際を詳説する。
目次
第1部 基礎理論(集団精神療法に関する大きな誤解;集団精神療法の現在 ほか)
第2部 アイデンティティ・グループ(アイデンティティ・グループ基礎;集中青年期アイデンティティ・グループ ほか)
第3部 集団精神療法技法(精神分析的集団精神療法;コンバインド・セラピィ ほか)
第4部 人格機能水準と集団精神療法(統合失調症者の集団精神療法;パーソナリティ障害の集団精神療法 ほか)
著者等紹介
小谷英文[コタニヒデフミ]
Ph.D.,CGP。学位:博士(心理学)・広島大学大学院。国際基督教大学名誉教授、PAS心理教育研究所理事長、国際力動的心理療法研究会(IADP)理事長、国際集団分析的心理療法協会(IOGAP)トレーナー、震災復興心理・教育臨床センター(仙台)・福島心の復興心理・教育臨床センター(郡山)オーガナイザー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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