内容説明
本書は、著者ビオン自身がケースを提示しつつ、精神分析と精神病理論について書いた8本の論文に、自らが再び思索を深め“Second Thoughts”、詳しく解説を加えたものである。フロイトからクライン、そしてビオンへと続く系譜は、対象関係論を支えてきた流れであり、今日の精神分析を理解するうえで、ビオンの存在はあまりにも重要なものとなっている。しかし、ビオンは、多くの精神分析理論に関する書籍を残しているものの、自分のケースを提示し、論文の形式で論考したものは、本書『再考』以外には存在しない。『再考』には、実際のビオンのケースの様子が垣間見られ、そこからいかにして後年の精神分析理論が広がっていったのか、その萌芽を見ることもできる
目次
1 イントロダクション
2 想像上の双子
3 統合失調症の理論についての覚書
4 統合失調症的思考の発達
5 精神病パーソナリティの非精神病パーソナリティからの識別
6 幻覚について
7 傲慢さについて
8 連結することへの攻撃
9 考えることに関する理論
10 解説
著者等紹介
松木邦裕[マツキクニヒロ]
1950年佐賀市生まれ。熊本大学医学部卒業後、九州大学医学部心療内科、福岡大学医学部精神科勤務、1985年から1987年に英国ロンドンのタビストック・クリニックへ留学。精神分析オフィス開業後、京都大学大学院教育学研究科在籍。日本精神分析協会正会員
中川慎一郎[ナカガワシンイチロウ]
1956年福岡県に生まれる。九州大学医学部を卒業後、九州大学医学部精神科、福岡県立太宰府病院、福岡県精神保健センター勤務。1992年から1997年まで英国ロンドンのタビストック・クリニックへ留学し、現在は牧病院勤務。日本精神分析学会認定精神療法医(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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