内容説明
不実な財産狙い―何も知らない人々はウィルをそう呼ぶ。顔がいいだけの放蕩者と後ろ指をさされても、ウィルが裕福な女性を口説くのには、やむにやまれぬ事情があった。何とかこぎつけた婚約が破談となり、意気消沈していたところにレベッカという年若き資産家の女性が訪ねてくる。彼女はギリシア彫刻のような近寄りがたいほどの美貌の持ち主。淑女にあるまじきことに、レベッカは人払いをして、ウィルと部屋で二人きりになると、驚くべき提案をしたのだった。「実はわたしと結婚していただきたいのです」。
著者等紹介
マーシャル,ポーラ[マーシャル,ポーラ][Marshall,Paula]
イングランド中部レスターに生まれ、古都ノッティンガムで育つ。勤め先の資料図書館で同じく司書をしていた男性と結婚。3人目の子が学校に入ったのを機に英語の臨時講師として働き始めるが、その後再び大学に戻り、歴史を学んだ。これが歴史ロマンス小説の執筆に大いに役立っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぽこ
6
面白かった。ヒーローは顔と性格と血筋はいいけど、超貧乏の財産狙い(フォーチュンハンター)で、何もそこまでヒモ、ヒモ、と言わなくてもと思うくらい彼女のヒモであることが本文にて強調されています・・・(^-^; 夫婦関係はやっぱり対等じゃないとダメになってしまうということですね。2015/03/03
ひまわり
6
コミックスを読んで再読。このヒーローってイケメンで誠実で働き者で強くて優しくて・・・持ってないのは財産だけなんだよね。2014/11/21
suiu
5
最近、ハーレクインでゴーマン、オレサマ、キチク、ゼツリンばかり読んできたので、このヒーローには癒されました。 ヒロイン過去もそれほど深刻じゃなくて、そうなると元婚約者がひたすら気の毒。2015/11/29
いきあたりばったり
3
ヒーロー、ヒロインの人物設定と描写が丁寧で常識的、その上で魅力的。その魅力はハーレクイン的というより通常の一般小説よりかな、と思う。ストーリー展開よりもその二人の魅力に尽きる話だと思う。ポーラ・マーシャルの描くヒロインは知的で頭の回転が早いところがいい。あと、ロマンス小説にありがちな階級や世の不条理を完全無視するようなご都合主義に陥らないところがいい。2010/12/20
キッチンタイマー
2
よい作品。文章が普通の小説に近い感じ。でも冒頭から引き込まれる。財産狙いのヒーローの心理描写とその変化が主で、貧しくて計算して結婚しようとしているという欠点が最初から見えているヒーローが少しずつただの優男ではないことが明らかになっていく。対するヒロインは最初から謎めいた強い女で、完全無欠だけど他人に対する冷たさがあまり好きになれなかった。貧しい階層の人たちに対する思いが、マーシャルの一つの作風なのかな。夫をひもだと思ってる限り、ダメなんじゃないのかなーと思ったり。2013/02/15