出版社内容情報
10年前に刊行し好評を博した「子どものうつ病」の著者が,あらたに「子どもの双極性障害」についてDSM-5ドラフトの知見も踏まえ,平易に解説!
近年,児童期に発症する双極性障害が以前考えられてきたよりもずっと多く存在することを示す実証的研究が報告されるようになった。
その病像は,成人の双極性障害とは大きく異なり,?@うつ症状と躁症状のきわめて急速な交代,?Aうつ病相と躁病相が明瞭に区別しにくく,うつ症状と躁症状が混在する多彩な病像,?B他の精神障害,特にADHD,反抗挑戦性障害,素行障害などと併存しやすい,という臨床的特徴をもつ。
ただし,このような子どもの双極性障害は,DSM-?W-TRにおける双極?T・?U型障害の診断基準を満たさないため,特定不能の双極性障害という診断名になり,診断基準も研究者によってさまざまなのが現状である。そのために子どもの双極性障害の過剰診断が問題になってきたのである。
そのような中,2010年2月にDSM-5ドラフトの発表がなされ,子どもの双極性障害にとっては大きな変化があった。
本書では,子どもの双極性障害がどのような病気であるかを説明し,症例から治療と対応について解説し,DSM-5ドラフトを検討しつつ,今後の診断基準について展望する。
付録には,DSM-5ドラフトの翻訳と著者による解説を付した。
本書は,日本における子どもの双極性障害のハンドブックとなるであろう。
序論
第?T部 子どもの双極性障害とはどのような病気なのか
第1章 子どもの双極性障害の概念と歴史
第2章 子どもの双極性障害の疫学
第3章 成人の双極性障害の診断基準
第4章 子どもの双極性障害の臨床的特徴
第5章 子どもの双極性障害の診断基準
第?U部 症例呈示
第6章 症例呈示
第?V部 治療
第7章 子どもの双極性障害の治療
第?W部 子どもの双極性障害の本態は何か
第8章 子どもの双極性障害の生物学的病態研究
第9章 子どもの双極性障害は大人へ移行していくのか
第?X部 DSM-5への展望
第10章 DSM-5のドラフト
第11章 子どもの双極性障害のどのように対応していくか
付録 DSM-5ドラフトの診断分類
内容説明
日本の現状に即した子どもの双極性障害ハンドブック。DSM‐5ドラフトの翻訳と著者による解説付。
目次
第1部 子どもの双極性障害とはどのような病気なのか(子どもの双極性障害の概念と歴史;子どもの双極性障害の疫学;成人の双極性障害の診断基準;子どもの双極性障害の臨床的特徴;子どもの双極性障害の診断基準)
第2部 症例呈示
第3部 治療(子どもの双極性障害の治療)
第4部 子どもの双極性障害の本態は何か(子どもの双極性障害の生物学的病態研究;子どもの双極性障害は大人へ移行していくのか)
第5部 DSM‐5への展望(DSM‐5のドラフト;子どもの双極性障害にどのように対応していくか)
著者等紹介
傳田健三[デンダケンゾウ]
1957年静岡県に生まれる。1981年北海道大学医学部卒業。1998~1999年ロンドン大学精神医学研究所、ベスレム王立病院(青年期病棟、摂食障害病棟)、モーズレー病院に留学。1999~2008年北海道大学大学院医学研究科精神医学分野准教授。現在北海道大学大学院保健科学研究院生活機能学分野教授。専攻は児童青年精神医学、臨床精神医学、精神科リハビリテーション学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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