内容説明
「治療構造論」とは、小此木啓吾が創始した精神分析的な了解と臨床における方法論のことである。著者は、その要諦を最も正当に継承し、臨床的成果として結実させた。本書は、治療構造論に基づいた精神分析的アプローチをパーソナリティ障害をはじめさまざまな疾患に応用させた著者の臨床研究を集大成したものである。精神分析における各学派の理論を俯瞰し、真に効果的な精神分析を実践する著者の臨床的知見が全編に亘ってちりばめられている。
目次
第1部 精神分析と心的表象論(生命現象と物語―心理療法とシステム論;心的表象論;心的表象としての自己の病理;システム論的家族論および家族ライフサイクル論の流れ ほか)
第2部 治療手段としての精神分析(精神療法おける情動と言語化―精神分析の二重性;精神分析における言葉の使用についての覚書;プロセスノートの書き方―どんな目的で、いつ、なにを、どのように、書くか?;パーソナリティ障害という病名の使用と知ること―精神科外来マネージメント技法のひとつとして ほか)
著者等紹介
狩野力八郎[カノリキハチロウ]
1945年満州に生まれる。1971年慶應義塾大学医学部卒業。同精神神経科教室入局。1972年~75年桜ヶ丘保養院。1975年東海大学医学部精神科学教室。1981年~83年メニンガークリニック、トピカ精神分析研究所留学。1987年東海大学医学部内科系精神科学部門講師。2001年~現在、東京国際大学人間社会学部・大学院臨床心理学研究科教授、杏林大学医学部客員教授、東海大学医学部非常勤教授、小寺記念精神分析研究財団理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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