内容説明
本書第1部ではさまざまな組織を組み合わせていくシステムズアプローチ流の連携論、チーム理論が示され、続く第2部、第3部は、それぞれの援助組織、職業的な立場の違いによるアセスメントと実践の「偏り」を網羅し、連携のための基礎資源を提供する。そして第4部では心理援助の専門性を再確認し、個人を対象としたミクロなアセスメントと、複数の援助組織・複数の専門性を俯瞰するマクロなアセスメントを使いこなす視座と実践事例が展開される。心理臨床家=こころの専門家が一対一の面接場面から踏み出して、さまざまな現場/機関、職種/立場の実践を理解し、クライエントに応じた効果的な社会的援助組織の組み合わせを構築することで多彩なクライエントに対応する。本書はその技量を向上するためのガイドブックである。
目次
第1部 臨床現場の違いをアセスメントする(現場の違いと求められているもの;システムズアプローチによるアセスメント ほか)
第2部 いろいろな現場で求められるアセスメント(法と社会と当事者・家族の間で考慮すべきこと―精神科病棟;診断と見立てをめぐって―精神科クリニック ほか)
第3部 立場の違いからみたアセスメント(多様な現場に参入していく学生の混乱とそのアセスメント―学生;初学者の分かれ道―現場が一つの常勤職・かけもち現場の非常勤職の違い ほか)
第4部 臨床行為とアセスメント(心理“相談”に固有のアセスメントは存在するか?;ミクロとしてのアセスメント ほか)
著者等紹介
吉川悟[ヨシカワサトル]
1958年滋賀県生まれ。1984年和光大学人文学部卒業。1986年大手前ファミリールーム職員。1988年システムズアプローチ研究所を設立し、所長を務める。1992年湖南クリニック、思春期外来担当。1997年コミュニケーション・ケアセンターを設立し、所長を兼任。2005年~現在龍谷大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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