出版社内容情報
「精神分析セミナリー」の実践記録を基に,類書にない,精神分析的精神療法の新しい効果的な演習方法を公開する。
内容説明
本書は、10年以上にわたって行われている「精神分析的精神療法セミナー」の実践記録を基に、類書にない新しい効果的演習方法を公開するものである。転移・逆転移、抵抗、解釈、ワークスルー、抑圧、治療構造等、各章はいずれも優れて臨床的なテーマを取り上げている。スーパーヴィジョンによる症例の徹底検討とそこから浮き彫りにされる基本的精神分析概念の学習討論を通して、読者は臨床実践の中で本当に患者のためになる技法と理論を身につけることができるであろう。
目次
第1部 基本構造について(セラピーにおける規則性と自発性―母をこわがる強迫神経症の独身女性;バウンダリー(境界)の臨床的問題―治療者側の役割変化に苦労した独身男性
チーム治療におけるセラピストの主体性―摂食障害,気分変動,自殺企図を主訴とする境界性人格障害の女子学生
カウチ使用の精神療法―環境が変わると体重が減った女性)
第2章 接近法について(解離と分裂と抑圧についての探索と支持の意味―人格が頻繁に変わると訴える若い女性;思春期の危機と家族の力動―行動化を繰り返す女子中学生の母親)
第3部 抵抗ないし転移について(抵抗とは何か―蒲団から出られない過食症の女子大学生;外傷・空想・妄想と症状―「悲惨な過去」を徐々に想起するヒステリー障害の女性;転移性倒錯―女性化願望とフェティシズムを持つ男子学生;恋愛転移か自己愛転移か―苦しさを明るく語る女子学生;分裂部分対象関係―現実より成熟して見えた中年ビジネスウーマン)
第4部 解釈とワークスルーについて(対象喪失と喪・抑うつ症のワークスルー―別離後に退行的症状を呈した思春期女子;転移性恋愛への抵抗―セラピストをフェティッシュにする女子大学生;解釈の種類と特に蘇生解釈について―慢性期統合失調症状態から変わろうとしている中年女性;自我の葛藤か欠損か―身体化症状と社会的不適応を訴えた主婦)
著者等紹介
高橋哲郎[タカハシテツロウ]
1960年、東京大学医学部医学科卒業後、10年間関東中央病院精神科児童病棟、国立小児病院精神科、東京大学医学部付属病院精神科、式場病院に順次勤務。この間、「分裂病症状を呈する思春期精神障害の研究」の中で思春期特有の力動的統合のあり方を発達的に考察し、統合失調症様状態との関連を論じた。1970年に米国に移住。レジデンシー訓練とメニンガー精神医学校児童精神医学およびトピーカ精神分析インスティテュートを卒業。その後、メニンガークリニック病棟医長、精神病治療部長、メニンガー精神医学校ハンブルトン・アブラハムズ教授、トピーカ精神分析研究所講師を歴任。精神科慢性疾患の分析的集団精神療法を20年間行い、米国集団精神療法学会フェローに選ばれ、カンサス州支部長を2年間務める。1996年帰国し、大阪で健育研究所勤務後、現在は精神分析セミナリーを開設し、精神分析、精神療法、集団精神療法の指導にあたっている。所属学会、協会―米国集団精神療法学会フェロー、米国精神分析学会正会員、国際精神分析学会正会員、日本集団精神療法学会正会員、日本精神分析協会正会員・訓練分析家、日本精神分析学会正会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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