DV被害女性を支える―信頼感と自尊心をつなぎとめるために

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  • サイズ B6判/ページ数 229p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784772409841
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C3011

内容説明

配偶者や恋人からのDV(ドメスティック・バイオレンス)にさらされている女性は、さながら嵐の海に翻弄される小舟のように、予測不能な暴力のなかで揺れまどいながら、しだいに友人からも肉親からも遠ざかっていきます。漂う船をつなぎとめ、安全を確保するために錨が必要であるように、彼女たちにも、つながりの感覚と自尊心を支えてくれる錨(アンカー)のような存在が必要なのです。彼女たちはなぜ、自分の受けている暴力をたいしたことではないかのように言うのでしょう?かすかなサインを発しながらも、次の瞬間にはあなたから距離をおこうとするのはどうしてでしょう?自らもDV被害の体験をもつ著者は、ある女性がアンカーになるまでの物語を織りまぜながら、これらを解き明かし、加害者から逃げ出す力を剥ぎ取られ、人を信頼する力をも失いつつあるDV被害女性を支えるために必要な原則(やるべきことと、やってはならないこと)をわかりやすくまとめています。わが国においても、密室化した家庭内で起きるDVが社会的認知を得て、ようやくその過酷な実態を現し始めた現在、DV被害女性に関わるすべての支援者、とくにご家族や友人の方々に、繰り返し読んでいただきたいガイドブックです。

目次

1章 関心を持つ―あなたの疑いと思い込みを知る
2章 彼女とあなたの距離を測る
3章 学習する―基礎知識
4章 逃亡者、レスキュー隊、そしてアンカー
5章 前もってアンカーとして行動する
6章 いざという時にアンカーとして行動する
7章 バタラーについて
8章 身を守る
9章 ここまでをふり返って
付録

著者等紹介

ブルースター,スーザン[ブルースター,スーザン][Brewster,Susan]
27年間にわたってサイコセラピストとして過ごしてきたが、そのうち17年間は主にドメスティック・バイオレンスの分野で働いてきた。バタードウーマンのシェルターの臨床主任、虐待を受けた女性対象のセラピストをつとめ、現在はドメスティック・バイオレンス・アドボカシーセンターで、被害女性のパートナーと子どもたちを直接指導するコンサルタントとして働いている。夫、2人の子どもたちとともに米国ニューメキシコ州在住、開業セラピストとして活躍している

平川和子[ヒラカワカズコ]
東京フェミニストセラピィセンター所長。児童期性虐待・DV被害・摂食障害などの相談に対し個人・集団カウンセリングを行う。1997年よりDV被害女性と子どものための民間シェルターを開設し、長期的展望に立った総合的支援を行う。女性の安全と健康のための支援教育センター理事。内閣府女性に対する暴力に関する専門調査会委員

和歌山友子[ワカヤマトモコ]
翻訳・文筆業。1976年武蔵野美術大学産業デザイン学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

katoyann

23
心理臨床家がDV被害女性を支えるアンカーの役割について論じた本。保護命令や接近禁止命令などの法律の知識以外にも、支援者が言ってはいけない一言や加害者の特徴が詳しく述べられている。 本書によれば、つい支援者は、自分の感情を被害女性に投影し、支配したがることがあるという。例えば「別れなさい」というアドバイスには、「あなたは間違った判断をしている」というメタメッセージが含まれていて、かえって被害女性の自尊心を傷つけるので危険であるという。 また加害者の特徴のうち、自己主張が下手という指摘は興味深かった。2023/07/07

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