内容説明
摂食障害は、同じ症状に見えてもクライエントの深いこころの世界にまで踏み込まなければ鑑別診断が難しく、安易な取り組みがゆるされない死の可能性すらある重い疾患である。本書は、そんな中核的な摂食障害の治療を続けている編者らによる、あまたあるガイドライン的書物とは一線を画した、本格的な摂食障害のための臨床書である。
目次
第1部 視点(対象関係論から理解する摂食障害の病態とパーソナリティ―そして、それに基づく分析的臨床)
第2部 治療の実際(未分化な情緒に触れ続けること―他者への迎合を続ける過食症女性との入院精神療法過程;拒食症における不安の源泉;こころの真実に触れることの難しさ;自己愛的世界から抜け出した過食症の一例―8年半の治療経過から;母親の身体に閉じこもること―過食症者の「閉所」恐怖心性をめぐって)
第3部 コンテイニング(摂食障害患者の看護の実際―自殺を果たそうとし続ける患者への対応における受け持ちナースの役割と看護チームの役割;摂食障害治療でのマネージメント―Creating,Containing,Functioning, and Tolerating)
著者等紹介
松木邦裕[マツキクニヒロ]
1950年佐賀市生まれ。熊本大学医学部卒業後、九州大学医学部心療内科、福岡大学医学部精神科勤務、1985年から1987年に英国ロンドンのタビストック・クリニックへ留学。現在は福岡共立病院に働くとともに精神分析個人開業。日本精神分析協会正会員
鈴木智美[スズキトモミ]
1959年東京生まれ。福岡大学医学部、同大学院精神分析学専攻卒業。1994年から1997年にフランスのパリ11大学、モンスリ共済研究所へ留学。福岡大学病院精神科講師を経て、現在は福岡共立病院に働くとともに個人精神分析を実践している。日本精神分析協会準会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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